“優勝候補”イランを3−0で撃破の日本代表 勝負の明暗を分けた2つのプレー

スポーツ 2019年1月30日掲載

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イラン勝利説をひっくり返した日本

 そしてもう1つは後半1分、ハジサフィのシュートを酒井宏樹がブロックした際に主審はハンドと判定しイエローカードを出した。酒井は反転しながらシュートブロックに行ったところ、偶然ボールが手にあたったように見えた。故意に手を出したプレーではないが、主審はイエローカードを出したため故意と判断したのだろう。幸いにもペナルティーエリアの外だったため直接FKとなり、デヤガの無回転シュートは不規則な軌道ながらもゴール枠を外れた。

 試合は後半11分、諦めずにルーズボールを追った南野拓実のクロスを大迫がヘッドで決めて先制。さらに18分、大迫がヒールでつないだパスを南野が折り返すと、スライディングしたプーラリガンジの左手に当たる。これも故意のハンドではなかったが、酒井のブロックがハンドという基準であれば、当然ハンドであり、ペナルティーエリア内だったのでPKとなる。

 イランの選手が猛抗議したからなのかは不明だが、主審はVAR(ビデオ・アシスタントレフェリー)で確認後、改めてPKを宣告。これを大迫がしっかり決めてイランを突き放した(間接的だが南野は原口元気の3点目につながるパスも出し、全ゴールに絡んだことになる)。

 試合が終わってみれば原口のだめ押しゴールもあり3-0の完勝だ。試合前のデータでは、イランは対アジア戦で39戦無敗を始め、ブックメーカーのオッズなどあらゆる数字がイランの優勢を伝えていた。しかしながら、負けないチームなどない。無敗だからといって恐れるのか、それとも無敗をストップしようと挑むのか。

 日本は後者を選択した。たぶんベスト8で敗れた韓国とオーストラリアもイランと対戦したら同じであっただろう。それが勝者のメンタリティーでもある。そして日本はイランの神話に終止符を打った。次は、過去4度の優勝はいずれも外国人監督だっただけに、日本人監督として初のアジア制覇を成し遂げるのか。さらには森保一監督が決勝での無敗記録を更新するかに注目したい。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

週刊新潮WEB取材班

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