ベトナム戦苦戦の原因は韓国人監督、次のイラン戦は“大迫頼み”という厳しい現実

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後半27分に満を持して登場

 アジアカップ UAE2019 の準々決勝2試合が1月24日に行われ、ドバイのアル・マクトゥーム・スタジアムでベトナムと対戦した日本は後半12分に堂安律がPKから決めた1点を守り切り、粘るベトナムを振り切った。この結果、日本は28日の準決勝(アルアイン/ハッザーア・ビン・ザイード・スタジアム)で優勝候補筆頭のイランと対戦する。

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 ロシアW杯のコロンビア戦で決勝点を決め、一躍「大迫、半端ないって」が話題となった大迫勇也。初戦のトルクメニスタン戦(1月9日。3-2)で2ゴールを決めたものの、右臀部の違和感により試合から遠ざかっていた。以来15日、4試合ぶりにピッチに戻ると、やはり“格の違い”を見せつけた。

 試合の立ち上がりはベトナムのペースで始まった。平均年齢23・25歳と若く、日本が中2日の試合に比べ中3日というアドバンテージもあった。それに対して、日本はマイボールになるとボールをつないでワイドに攻めるのではなく、森保一監督の目指す「縦に速いサッカー」を選択した。

 しかし5人の選手をDFラインに並べて守備を固めるベトナムに対し、日本の縦パスは精度とパススピードに欠けたため、インターセプトからベトナムのカウンターを受けたのも前半は苦戦した原因だった。前半24分に左CKから吉田麻也がヘッドで決めた先制点は、準々決勝から導入されたVAR(ビデオ・アシスタントレフェリー)判定の結果、吉田にハンドがあったとして取り消されたのも痛かった。

 ベトナムを率いるのは韓国人のパク・ハンセオ監督だが、日本をよく研究し、対策を講じてきたのも苦戦の一因と言えよう。それを象徴するのが前半38分のプレーだ。GK権田修一へのバックパスに対し、左FWファン・バン・ドクは右足でのキックをブロックするようにプレスをかけた。

 権田は右足が利き足のため、チームメイトもバックパスは権田が蹴りやすいよう右足に出す。しかしプレスを受けて縦へのパスコースを消された権田は、左方向にいる吉田にパス。吉田もプレスを受けていたため権田に戻したパスは、残っていたファンへのプレゼントボールとなった。幸いにもファンのアシストからグエン・チョン・ホアンが放ったシュートは権田が身体でブロックしたものの、「1点もの」のシーンであり、首をひねりたくなるプレーでもあった。

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