日銀「秘密忘年会」に姿なし 「ゴーン疑惑」政井審議委員

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 年明け早々、株安円高のダブルパンチ。さらに、“ゴーンショック”の火種が燻り続けて、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁(74)は頭を抱えているはずだ。

 昨年12月27日、東京・日本橋にある日銀本店9階。普段は、黒田総裁が記者会見を行う会議室で“秘密忘年会”が開かれていた。出席者は黒田総裁を筆頭に日銀幹部たちと、記者クラブ所属の面々。冒頭、司会を務める日銀の広報課長が“完全オフレコでお願いします”と念押しする保秘ぶりだったという。全国紙の経済部記者によれば、

「忘年会には公務や健康上の理由を除き、日銀の幹部は全員顔を揃えるのが慣例。ですが、彼女は姿を見せませんでした」

 その彼女とは日銀の最高幹部の一人である、政井貴子審議委員(53)を指す。実践女子大卒の政井氏は、法政大学大学院を経て外資系金融機関を渡り歩き、2007年に新生銀行に入行。2年半前、日銀の“最高意思決定機関”政策委員会の審議委員に就任していた。

「昨年逮捕された日産のカルロス・ゴーン前会長には、リーマンショックの際にデリバティブ取引で多額の損失を出し、それを日産に肩代わりさせた疑いもある。新生銀行時代に政井さんが、その問題に関与していたと報じられました。是非、忘年会で彼女に聞きたかったのですが……」(同)

 記者たちは肩透かしを食らった格好だったが、

「政井さんは憔悴し切っていて、精神的なダメージは相当なものです」

 こう語るのは、日銀の中堅職員だ。

「問題発覚後、彼女は公の場では“答えは差し控える”としか言っていません。一方、内々では“当時は責任者でなく、権限もなかった”と弁明しています」

 日銀は、マスコミから彼女を守る方針だという。

「野党が、国会に政井さんを呼び出して追及する可能性もあり、それに耐えられるか心配。プライドが高く、経済的に余裕がある人なので職を投げ出してしまうかも……」(同)

 となれば、日銀は無傷ではいられない。

週刊新潮 2019年1月17日号掲載

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