囲碁界に“10歳少女プロ”出現 将棋人気に焦り話題作りのため?

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

 藤井聡太七段(16)の活躍で将棋に押され気味の囲碁界にも天才少女の出現だ。

 今月5日、囲碁の日本棋院は仲邑菫(なかむらすみれ)さん(9)を4月から「初段」プロ棋士として採用することを発表。プロ入り時は10歳で、藤沢里菜(りな)女流3冠(20)が持つ11歳6カ月の最年少記録を更新することとなる。

 異例の早期デビューは、昨年設けられた「英才特別採用推薦棋士」という制度によるもの。通常なら東京、関西どちらかの棋院の院生となり成績上位でなければプロになれないが、将棋人気に焦りを覚えた日本棋院が話題作りのため、特別な推薦枠を設けたという見方も。だとすれば苦労してプロを目指す院生たちには、たまったもんじゃなかろう。ただし対象は、原則として小学生のみとなるが。

 国際的に劣勢な女流棋士底上げの思惑もあるようだ。

 その第1号となった菫さん、果して実力のほどは?

 日本棋院の関係者はいう。

「父はプロ棋士九段の信也さん、母もアマの強豪というサラブレッド。採用試験で対局した張栩(ちょうう)名人とハンディを付けたとはいえ引き分けたというんですから、そうとうな腕の持ち主ですよ。彼は格下相手でも決して手を抜かないので」

 3歳で碁を覚え、5歳にしてアマ女流大会で初優勝。昨年からは日本でのアマチュア指導は生ぬるいと強豪国の韓国に渡り、スパルタ教育で腕を磨いた。1日6~9時間は盤面に向うというから恐れ入る。

 ただ一方でこんな声も。

「確かに9歳にして6時間以上も集中して打てるのは、囲碁が好きで才能がある証拠でしょう。でもプロの世界は年齢、性別もなく弱肉強食。いくら強いからといってまだ小学4年生、あまり早くから無理し過ぎて、途中で息切れしたりしなければいいのですが……」(囲碁ジャーナリスト)

 もちろん、そんな岡目八目の“異論”など笑い飛ばす活躍を期待する――。

週刊新潮 2019年1月17日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。