ツッコミどころ満載な「ローラ」さんの“政治的発言”(KAZUYA)

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 2018年の米国中間選挙の前、歌手のテイラー・スウィフトさんが民主党を支持することをインスタグラムに投稿し、日本でも話題になりました。

 日本だと芸能人は政治的発言を控えるのが暗黙の了解となっている感があります。そんな中、タレントのローラさんがインスタグラムに投稿した内容が物議を醸しています。

 昨年12月18日、米軍普天間基地移設問題を巡って「美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの」と、辺野古移設反対の署名参加を促しました。ローラさんはインスタのフォロワーが約520万人にもなる人気者です。当然話題にならないわけがありません。

 芸能人が政治的発言をするのは全く問題がないと個人的には考えます。しかし立場上発言にはリスクが伴うものです。職業柄、政治的な「色」がつくのは避けたいところでしょう。特に辺野古移設というとてもデリケートな問題です。

 移設反対派は今後ローラさんを持ち上げ、勝手に名前を使って辺野古移設反対のマスコットのように扱うでしょう。ドン引きして離れるファンが出るのは間違いありません。人気商売ゆえ、世間一般に広く浅く、ファンにはディープに応援してもらうのが重要です。しかし色がつくと「広く」が難しくなります。だからこそ芸能人は政治的発言を控えるのでしょう。

 ローラさんが政治的な「色」がつくことを理解した上で書いたのか、理解せずに書いたのかわかりません。ただどちらにしろ今回の発言はツッコミどころが多数あるので「バカっぽいな」としか思えませんでした。

 辺野古移設反対なのは結構ですが、残り続ける普天間基地はどうするのか。危険だと言われているのに、結果的に辺野古に移設させないことで普天間基地の存続活動をしているのと変わりません。普天間の跡地利用もできず、沖縄経済的にはマイナスでしょう。しかし沖縄県の玉城知事を筆頭に、必死に普天間基地を移設させないように活動しているようにしか見えないのです。

「美しい沖縄の埋め立て」をやめさせようというなら、何故今までダンマリを決め込んでいたのかもツッコみたくなります。現在建設中の那覇空港第2滑走路は美しい海を約160ヘクタール埋め立てます。これには何か発言をしたのでしょうか?

 沖縄は埋め立てをして発展してきました。国土地理院によると、沖縄県の面積は昭和63年から25年間で13.91平方キロメートルも増えています。これは東京ドーム約297個分に相当します。何故増えたのか? そう、埋め立てです。別に埋め立てを奨励しているわけではありませんが、現在も様々なところで埋め立てが行われているのに、辺野古だけ言うのかという話です。

 玉城知事は、法的拘束力のない辺野古移設の是非を問う県民投票に前のめりです。某国の脅威をビンビンに感じているであろう宮古島市、石垣市など前線の島は参加しない方向性で、もはや「県民投票とは一体……」と混乱します。

 知事がアレですから、さらに分断を招きかねません。2019年も波乱含みの一年になりそうです。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者40万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2019年1月3・10日号掲載

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