ゴーン事件でルノーが迫られる“カリスマとアライアンス”どっちを取るか

ビジネス 企業・業界 週刊新潮 2019年1月3・10日号掲載

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「ゴーン事件」の果てに、日産とルノーのアライアンス(提携)はどうなるのか。

 現在、ルノーは日産株の43・4%を持ち、一方、日産はルノーの株を15%保有している。

 自動車業界関係者の話。

「2014年、フランスで“フロランジュ法”が成立。株を2年以上保有すると、議決権が2倍になるという法律です。ルノー株の15%を持つフランス政府はこれによってルノーへの影響力を強めました。そこで、日産はルノーと交渉し、対抗策を講じた。もし、フランス政府の圧力でルノーが経営に不当介入した場合、ルノー株を買い増しできるという権利を得たのです。日本の会社法では、保有率を25%までにすると、ルノーの議決権がなくなるから、“不平等条約”を解消できるようになりました」

 日産はこの「伝家の宝刀」を抜くのか。

「長らく、フランス政府は失業率の改善を迫られてきました。その対策の一つとして、ルノーの工場で日産の車を生産させ、雇用増を図った。でも、日産からすれば、自分の工場の稼働率は低下するわけですから不満が燻っていました。日産が伝家の宝刀を抜けば、ルノーの工場での生産体制を見直すのは間違いありません。ですから、フランス政府とルノーは日産との関係が悪化しないようにゴーンのクビを切り、影響力が現状維持できるように努めるのではないでしょうか」(同)

 結局、一人のカリスマよりも、大衆の雇用を取るというわけか。

特集「死闘になった『ゴーン』vs.『特捜部』7つの謎」より