年の瀬に「2018年連続ドラマ」を振り返る ベスト&ワースト3を発表(中篇)

エンタメ 2018年12月30日掲載

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 2018年の連続ドラマを振り返る第2弾は、なぜかワースト1位から。解説は前回同様、非国民生活センターTV主席研究員の林操さんです。

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アナ 続いて「連ドラワースト3」、いよいよトップの発表です!

林 ワースト1位は、4~6月期・日テレ系・土曜夜10時の「Missデビル」!

アナ 正式なタイトルは「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」、菜々緒さん主演で平均視聴率は8.24%と、数字で言えば凡作というところでしょうが、これがなぜ2018年の最低ドラマに?

林 もううんざりなんだよ、「綺麗どころの女優に仕事のできる冷徹なロボットみたいな芝居させて現代ニッポンの矛盾を炙り出す」系のドラマには。

アナ 言われてみれば、そういうタイプの作品はけっこうありますね。

林 ブームの走りは天海祐希の「女王の教室」(日テレ系・2005年)で、ジャンルとして成立したなと思わされたのは松嶋菜々子の「家政婦のミタ」(日テレ系・2011年)。2012年にスタートした米倉涼子の「ドクターX」もココにくくれそうだし、北川景子の「家売るオンナ」(2016年)は最近の典型例。

アナ そうですね。

林 そういう連ドラがツッコミを入れてきた「現代ニッポンの矛盾」は、教育だったり家族だったり医療だったりで、今度は菜々緒主演で働き方・働かせ方にメスを入れますっていうのが「Missデビル」。「ケンカツ」と同じくテーマは今風だわ、ヒットの多いタイプのドラマだわで、やっぱり多少の期待はあったんだけれど、初回の頭10分を見ただけで、「ひょっとすると……」の期待は「ダメだこりゃ」の絶望に変わったね。

アナ それはやっぱり菜々緒さんの……

林 そう、演技。というより、演技未満の何か。でも、責任は、菜々緒当人じゃなく、彼女をキャスティングした制作側にある。ロボット芝居なら大根役者にもできるはずとか、仕事の鬼なら容姿キツめの元モデルにはぴったりだとか、菜々緒を主演に据える言いわけはいくつかあったでしょう。

アナ 確かに。

林 でも、「仕事のできるロボット」系の芝居は、それとは真反対の役をいくつも経験してきた女優が演るからこそ、意外性が生まれて異化効果が出る。それなのに、「Missデビル」の菜々緒は、主演者として確たるイメージが固まってたわけでもなければ演技力に満ち溢れてるわけでもないのに、いきなり仕事ロボット役を割り振られちゃった。その結果として生まれたのは、笑える対象は出来の悪さくらいという低レベルなコメディーだったわけで、これは制作陣の罪だわ。

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