世界チャンプ「京口紘人」が語る“師匠・辰吉丈一郎からの活”

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ボクサーとしての精神も

 期待の掛かる京口は、あの、1990年代に一世を風靡した辰吉の教え子でもある。

「ジョーさんとの出会いは、中学に入った頃です」

 とは、当の京口本人。

「僕は元々空手をやっていたのですが、ボクシングを始め、当時、大阪帝拳ジムが行っていた、ちびっこボクシングというコースに通っていました。そこで、ジョーさんの2人の息子と一緒に毎日のようにレッスンを受けたのです」

 辰吉と言えば、リング上でのやんちゃなイメージしか思い浮かばないが、後進の指導に当たっていたというのは意外である。

 京口の得意とするボクシングスタイルは、辰吉譲りの左ボディアッパー。

「テクニックはもちろんのこと、ボクサーとしての精神も叩き込まれました。“世界チャンピオンには、なりたいではなれん。なると言い切れ”“なると言い切るヤツが絶対に上に行く”なんてことを毎日聞かされました」

 その結果が、京口のスピード出世に繋がったというわけである。

「以前の世界戦の時に、ジョーさんを招待したのですが、混乱を招くことになると考えたのか断られました。でも、今回、海外で挑戦することが決まり、ジョーさんに連絡したのです。すると、調整や体重はどうかと気にしてくれました。僕が2本目のベルトを獲って、来年、大阪に挨拶に行きますと言うと、“ガンバレよ。死ぬ気で行け”とハッパを掛けてくれたのです」

 師匠の激励を胸に、アッパーは炸裂するか。

週刊新潮 2018年12月20日号掲載

ワイド特集「平成『家族劇』の千秋楽」より

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