ついに卒業! 指原莉乃の成り上がりを支えた“裏切り”力

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少し嫌われ、長く愛される指原のたくましさ

 炎上タレント、と呼ばれる女性芸能人は多くいる。しかしその多くは、一過性のブームで去っていく。元モーニング娘。の辻ちゃんや神田うのは息が長い方だが、テレビで見る機会は指原より圧倒的に少ない。
 一方、指原がアイドルとしての定型を裏切り続けても人気を保っているのは、暗い承認欲求を隠さないからだと思う。例えば、彼女はアイドル好きが高じてアイドルイベントをプロデュースしたり、愛用コスメやメイク方法をSNSで紹介している。いずれも、アイドルだけど可愛くない自分というコンプレックスから始まっているようだ。売れたい、可愛くなりたい、だからこだわりを突きつめる。でも自分に自信がなかなか持てない。とても現代っ子らしい、承認欲求とオタク気質のハイブリッド。

 恵まれて愛されている人が幸せと正直に言えば、やっかみや批判を受ける時代。だから指原は自虐をいとわないし、そこが周囲とうまくやっていくコツとわかっているふしさえある。成功しても、自分のダメなところをあえて見せ続けるというその生存戦略は、相当にしたたかだ。
 事実、彼女の大御所おじさん芸能人たちの転がし方は、小島瑠璃子と双璧を成している。ルックスや言動、過去のスキャンダルなど、アイドルらしからぬところをうまくいじらせながら、距離を詰めてほどほどにツッコむ。百戦錬磨の彼らもどことなく嬉しそうな顔をしているのが常である。

 昔、「すこし愛して、なが~く愛して」と大女優がほほ笑むウイスキーのCMがあった。指原を見るとそのキャッチコピーを思い出す。「すこし嫌って、なが~く愛して」。容姿やキャラ、過去の恋愛沙汰で、少しだけ嫌われておく。でもその苦しさと引き換えに、少しずつ味方を増やす。パフォーマンスや美容など、アイドルに必要な部分を追求しつつ、惜しみなく手の内と欲望を明かすことで。

“裏切り”力のアイドル、指原。もはやこれからどのアイドルが卒業や引退をしようと、「平成最後のアイドル」という枕詞は彼女に持っていかれるだろう。指原の前に指原なし。指原の後に指原なし。これからも少し嫌われながら、これまでのアイドルイメージを裏切る活躍を見せ続けてほしいものである。

(冨士海ネコ)

2018年12月22日掲載

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