ローラの辺野古沖「埋め立て反対」は百田尚樹が2年前に予言していた!?

政治2018年12月22日掲載

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 2年前の発表時に「予言の書だ」と話題になった百田尚樹氏の小説『カエルの楽園』が、また今、脚光を浴びている。

 きっかけになったのが、モデルのローラの「反基地運動」。彼女は沖縄県辺野古沖埋め立てに反対する署名に参加したことを明らかにしたうえで、「美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」とネット上で呼びかけている。彼女が参加を求めたのは、アメリカの「WE the PEOPLE」という署名サイト。ここに30日間のうちに10万人が署名すれば、アメリカ政府が検討をする仕組みになっているのだという。

 沖縄県知事選で、辺野古移設反対派が勝利したとはいえ、日本政府の方針はまったく変わっていないこともあって、署名運動が始まったというわけだ。

 ローラをはじめとした有名人のアピールも効果があったのか、署名人数はすでに14万を突破しているが(20日現在)、なぜこの件が『カエルの楽園』と関係してくるのか。

 日本の安全保障を巡る状況を戯画化した同作には、さまざまな考えを持つカエルたちが登場する。そのうち、空想的平和主義を信じ込むキャラクターの1人(1匹?)の名前がローラなのだ。

 このローラが主人公のカエルたちに勧める「謝りソング」の歌詞は次のような内容。

「我々は、生まれながらに罪深きカエル

 すべての罪は、我らにあり

 さあ、今こそみんなで謝ろう」

 言うまでもなく、何かと過去のことについて謝り続けたがる人たち、新聞、政治家らを風刺した表現だ。この人たちは、かなり「辺野古移設反対派」とイメージが重なる。

 そして、この歌について今一つ「誰に何を謝るのかわからない」という疑問を口にする主人公たちにローラはこう言い放つ。

「あなたたちは余計なことを考えすぎるのよ。きっと頭の中であれこれこねくりまわしているのね。いいこと? 謝ることで争いを避けることができるのよ。あたしたちはこの歌を歌いながら、平和を願っているの。これは祈りの歌でもあるのよ」

 この楽園のカエルたちが絶対的に信じているのが「三戒」という教えだ。

「カエルを信じろ」「カエルと争うな」「争うための力を持つな」

 要は、かつての「非武装中立論」のような考え方だと捉えればいいだろう。

 これがローラたちにとってのゆるぎない「常識」あるいは「信念」なので、カエルの楽園を実質的に守っている体の大きなカエルに対して、ローラは嫌悪感を隠さない。「力」を嫌っているのだ。

「体が大きいから、乱暴したらきっと手がつけられないわ。ウシガエルにも勝てるという噂もあるくらいだから」

 こうしたローラ(カエル)の言動が、どこかローラ(モデル)と重なる、という見方をする人がいるため、「予言」めいている、という声が上っているのだ。まるで隣国の脅威などを視野に入れずに能天気なことばかり言っている点は同じじゃないか――と。

 著者の百田氏は、今回の件を受けて、ツイッター上で作品中の登場人物の名前には、いろいろな隠された意味があったけれども、ローラに関しては特定の誰かをイメージして名付けたものではなかったと明かしたうえで、「現実のローラの出現に震えている」とコメントをしている。

「WE the PEOPLE」のサイトを見る限り、10万人突破の案件は数多くあるので、アメリカ政府がどこまで真剣に向き合うかは未知数ではあるが、この先の展開は小説をなぞるようなことになるのだろうか。

デイリー新潮編集部