“資産家のスポーツ”フィギュア新女王 紀平梨花を育てたサラリーマン家庭

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“ウチは医者でないから”

 兵庫県西宮市出身の紀平がスケートを本格的に始めたのは、5歳の頃。当時、彼女が通っていた広田幼稚園の岸圭一理事長の話。

「ウチは毎日、園庭でマラソンをするのですが、彼女は断トツで速かった。跳び箱も8段をいち早く跳べるようになっていました。ずば抜けて運動神経が良かったのを覚えています」

 加えて、教育熱心な家だったことも印象深いという。

「幼稚園が終わると、ピアノやバレエの習い事をしていたほか、お母さんがスケートリンクにも送迎をしていましたよ」(同)

 フィギュア・スケートを本格的に行うとなると、指導料に衣装代、遠征費用などで年間1千万円、普通に始めただけで300万円は掛かるといわれている。そのため、本田真凛の実家は精密機器関連の会社経営、宮原知子の両親は医者というように、資産家が多いのだが、紀平の父はごく普通のサラリーマンだ。

 近所付き合いのあった主婦によると、

「奥様は、近所や大阪のデパートでパートタイムの仕事をしたりしていました。“ウチは宮原さんとこのように医者でないから、私が働かないと習い事を続けさせてやれへんのよ”といつもこぼしていましたよ」

 そのうえ、娘のスケートを優先するために、3年前には自宅を売却し、学校とリンクに通いやすい場所に転居したというから、まさに一家総出。新たな女王誕生の裏には、並々ならぬ家族の支えがあったというわけだ。

週刊新潮 2018年12月20日号掲載

ワイド特集「平成『家族劇』の千秋楽」より

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