仏デモ激化 パリで「本間ゴルフ」がカルティエ、フェンディと一緒に襲撃された!?

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源流は酒田の名家

「いえ、今も日本製にこだわっています。酒田市(山形県)の工場で製造しています」(同・広報担当)

 酒田の本間家といえば、「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」と俗謡にも唄われたほど、酒田のお殿様よりも権勢を誇った名家である。その庶流の本間兄弟が、1958年、横浜市鶴見区に開業したゴルフ練習場が本間ゴルフの源流だ。ゴルフジャーナリストが懐かしむ。

「ゴルフクラブの製造は63年からで、酒田に自社工場を作り、柿の木を使って職人がひとつひとつ手造りしたプロ仕様の“パーシモンヘッド”で名を上げました。しかし、それにこだわるあまり、金属製クラブが主流になる中、流れに乗り遅れました。バブルも崩壊しゴルフ市場も縮小する中、大阪支店長がゴルフクラブの密輸で逮捕。兄の創業者は弟に経営を任せるのですが、兄は脱税で起訴されます。この兄の長男が3代目社長となるのですが、ゴルフ場経営にも失敗し、負債額は305億円にまで膨らんで破綻したのが05年でした。本間ゴルフは日興コーディアル証券系列の投資会社傘下となり、本間家との縁は切れます。しかし、ここで3代目社長が引き起こしたのが、酒田工場の放火事件でした。別会社を起こした3代目が酒田工場の職人を引き抜くためだったと言われています。結局3代目は逮捕され実刑判決が下されました。中国系ファンド傘下になったのは2010年のことです」

 因縁深い酒田工場が今も稼働しているというわけだ。

「意外なことに、代表となった中国人の劉建国会長は、日本の職人の技術を信頼し、日本製にこだわっているようです。もちろん旧来の経営では上手く行くはずもないので、金属ヘッドはむろん、若者にむけた手に入れやすい価格帯の製品も製造し、それを直営店だけでなく、量販店にも卸し、海外にも販売網を広げることで、現在は年間200億円を超える売上にまで回復しています」(前出・ゴルフジャーナリスト)

 それがパリでの販売店襲撃につながったわけである。

週刊新潮WEB取材班

2018年12月13日掲載

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