NHK受信料値下げはたった35円、ならば「チコちゃんグッズ」を無料で配布せよ!

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子会社は商売上手

「NHKも必死であることは間違いないのです。少子化も進む中、スマホの普及により、若年層を中心にテレビ離れが進んでいるからです。総務省の発表(平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書)ではテレビの視聴時間は、10代の場合、平日1日の視聴時間は73.3分で、ネットの128.8分大きく下回っており、その傾向は年々悪化しています。テレビで受信料が取れなくなれば、NHKにとっては死活問題ですから、ネットにもテレビと同じ番組を配信することで、ゆくゆくはそこから受信料を取りたいわけです」(同・放送業界誌記者)

 そのための常時同時配信であり、それを実現するために総務省の条件を呑み、35円の値下げに踏み切ったわけである。「損して得取れ」とはこのこと。だが、その「損」ももったいないのか、子会社のエンプラがチコちゃんグッズを販売すると発表したのである。

「NHKには子会社が13、関連会社が4つ、関連公益法人などが9団体あります。放送法によりNHKは営利目的の事業、つまり商売をしてはいけないことになっていますが、1982年の法改正で営利企業への出資が認められるようになったために、不安定だった受信料収入を補完する目的で作られたのが関連会社です。NHK職員の天下り先でもあり、関連会社に出向し、また本体に戻ってくるなど密な関係で知られています。関連団体からNHKへの副次収入は毎年50~60億円に上る。なかでもエンプラは、子会社の中でも最大の利益を生み出す企業で、番組制作はもちろん、番組のソフト販売、番組グッズの販売なども行っています」(同・放送業界誌記者)

“どーもくん”や“にこにこ、ぷん”、朝ドラグッズなども幅広く手がけており、東京駅やスカイツリーなど、期間限定のショップも含めると、現在、全国11カ所に店舗を設けている。そのグッズは結構なお値段なのだ。例えば……。

●どーもくん 20th Anniversary 袴ぬいぐるみ:3780円

●大河ドラマ どーもくんセット(西郷どん、新撰組!):5184円

●にこにこ、ぷん ぬいぐるみSS ぽろり:2268円

●おじゃる丸 ランチトート おじゃる17:2376円

●とと姉ちゃん キャンバストートバッグ:1620円

 などなど、どーもくんグッズは19種もあったりして、民放のグッズ販売よりも充実している。さらに、大人気のチコちゃんグッズを加えるというわけだ。チコちゃんのファンという上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は言う。

「私も欲しくなるもんなあ、チコちゃん。大ヒット間違いないと思います。商売が上手いですよ、NHKは。だけど、こと受信料となると、まったく視聴者のことを考えていない。数十円の値下げなら、ありがた感は全く無いし、かえって寝た子を起こすようなものです。こんなに払っていたのかと。その程度の値下げなら、番組の中身の向上に使ってもらってかまいません。12月1日からは4K・8Kの放送も始まるわけですが、いまのところ富裕層しか関係ありません。いくら画像が綺麗、音もいいとか言われても、ハイビジョンのときの宣伝文句とどう違うのか分からない。約400億円もの視聴者還元が月に数十円にしかならないのなら、戦後の街頭テレビじゃないけど、4K・8Kがどれだけすごいのか、駅前にでも設置して見せてほしい。4Kテレビを配布しろとまでは言いませんから。もしくは、シールでもいいからチコちゃんグッズを配布したほうが、よっぽど視聴者はありがたがるかもしれません」

 いつもお世話になっております。粗品ではございますが……くらい言ってみたらどうですか。

週刊新潮WEB取材班

2018年12月11日掲載

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