言語道断「徴用工」判決 この先「70社」に“差押え”リスク

企業・業界週刊新潮 2018年12月13日号掲載

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「カンオク」は朝鮮半島で活躍するクラリネット奏者だった。演奏旅行でひと稼ぎしようと娘と下関にやってきたのだが、いきなり捕まって移送列車に押し込まれる。長崎で船に乗り換えると、着いた場所は「この世の地獄」、炭鉱の奥底で死ぬまで働かされる島だった――。韓国で大ヒットした映画『軍艦島』は荒唐無稽としか言いようのない内容だが、かの国では史実など通用しない。

 韓国大法院(最高裁判所)が三菱重工に対し、元徴用工らに一人約800万~1500万円の賠償命令を出したのは11月29日のこと。先に判決が下った新日鉄住金に続いて、日韓請求権協定に違反しているのは言うまでもない。原告は「徴用」でなく「募集」に応じたものだと安倍総理が指摘したように、事実認定もいい加減だ。

 実際、日本政府の抗議に韓国政府はまともに応えられていない。

 ソウル特派員によると、

「文在寅大統領は、李洛淵・国務総理に対応をまる投げしているのです。ところが、国内では国会議員やマスコミも快哉を叫んでおり、無理と分かっていても“請求は出来ない”とは言えない。そんなことを口にしたら政治生命が断たれてしまうからです。韓国世論はヒートアップしており、ソウル中央地検が前判事二人に対し“判決を遅らせた”と逮捕状を請求する事態になっています」

 いきおい、賠償しないのなら日本企業の資産を差押えるべしという声まで飛び出しているのはご存じのとおり。だが、新日鉄住金は韓国内に拠点がなく、三菱重工も合弁会社『MHIコンプレッサ・コリア』があるものの従業員はわずか4人。

「機械のメンテナンスがメインで工場(資産)があるわけではありません」(広報担当者)

 両社は、判決を見越して“差押え対策”をとっていたと見られているが、これで済んだと思うのは早い。裁判は燎原の火のごとく広がる勢いなのだ。

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