言語道断「徴用工」判決 この先「70社」に“差押え”リスク

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訴状が来てない

 韓国の裁判所などによると、元徴用工関連で訴えられている日本企業は70社を超える。韓国内に拠点のない会社もあるが、東芝やパナソニック、クボタなど、現地法人や支店を置いている会社も少なくない。今回の判決のように、他の裁判でも賠償命令が出る可能性は大だ。

 ところが、当の日本企業はというと、被告になっていることも知らなかったケースが多いのだ。

 たとえばクボタ。同社は韓国に現地法人「韓国クボタ」があり、農機などを販売している。

「三菱重工さんの判決があってから問い合わせが何件かあったのですが、当社は訴状を受け取っていないのです。弁護士を立てて法廷で係争しているわけでもありません」(広報担当者)

 また、現地法人があるパナソニックも、

「現時点で当社に訴状が届いていないので『当社は対象になっていない』という認識です」(広報部)

 韓国内の「元徴用工」の数は約15万人。現在、争われている裁判に続いて新たに名乗り出たり、その子孫が次々と提訴したらどうなってしまうのか。

「三菱重工の判決が出たとき、原告団の中心的立場にある弁護士は勇ましいコメントを出していましたが、オフレコでは“この先のことが心配だ”と漏らしていました。賠償命令で日本企業が一斉に逃げ出したら雇用も悪化しかねません」(先の特派員)

 日本企業に迫る「差押えリスク」は、いずれ韓国の国民もツケを払うことになる。

週刊新潮 2018年12月13日号掲載

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