私は母になれなかった――鳥取県知事を謝らせた「小池百合子」都知事の言葉狩り 識者の意見は

政治週刊新潮 2018年11月29日号掲載

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 小池百合子都知事(66)が披露したメーテルコスプレに引っかけ、平井伸治鳥取県知事が“「メーテル」の語源は母”“母の慈愛の心をもって大都市と地方の折り合いを”と述べたのは、11月9日の全国知事会議の場だった。これに小池知事は「非常に傷ついた」「私は母になれなかった」と訴えたのだが……。

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 ジャーナリストの徳岡孝夫氏の言葉を借りれば、都民1300万人ならずとも、大多数の国民感情は、

「もうこんなお粗末な話はいい加減にしてほしいですよ」

 ということになるだろう。

「鳥取県知事が言ったのはあくまでたとえ話でしょう? それを元にケンカを始めたら、議論の焦点がボケてしまいますよね。要するに、県知事としては“東京は税金取り過ぎてるから、母のような気持ちで鳥取にも分けてくれ”って言ったわけでしょ? それを“私は母じゃない”って返すのは大人げない。そもそもね、東京は銭がザクザク入って、鳥取はすかんぴん。あるのは日本海の波ぐらい」(同)

 いやいや、鳥取砂丘もあれば冬の蟹もあるけれど、

「その波の向こうには、北朝鮮という誰かが言うように『慈悲深い国』がある。そういうところで、鳥取県を“経営”している知事の身にもなってやってくださいよ。何百万人もの信任を得て都知事になった人間が、しょうもないことでケンカするなよと思ってしまいますね」(同)

 続いて、脚本家の橋田壽賀子氏は開口一番、

「今回の小池百合子さんのニュースを知って、私、吹き出しちゃいましたよね」

 と、あけすけに言う。

「だって鳥取の知事さんの『母の慈愛』って言葉は一般的な話、象徴とか概念として仰ったことでしょう? それをねじ曲げてご自分と結びつけるなんて、笑っちゃいました。私も子ども産んでませんけど、『母の慈愛』って分かりますよ。兄弟とも違う、父とも違う、そういうのって分かるじゃないですか。だからこそ、ホームドラマの脚本もたくさん書いてこられたと思うんですね。もしかしたら、小池さんは母親になれなかったってことがコンプレックスなのかしら。私はまったくそんな風に感じていません。もちろん子どもを見て“かわいいな”って思いますけど、(自分に子どもが)なくて良かったとも思いますし。コンプレックスなのであれば気の毒だなとは思います。だけど、やっぱり今回の話は無理にご自身に結びつけすぎ。滑稽極まりないなと思いました」

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