丸、中島、炭谷……「巨人」大物獲得で出場機会が奪われそうな“伸び盛り若手”リスト

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「地獄の伊東キャンプ」

 それでは今回の大型補強によって、どんな若手が“圧迫”されてしまうのか、有望な二軍選手も含め表にまとめてみた。ご覧いただきたい。

 まず、年俸の差がとんでもない。「判官びいき」のプロ野球ファンは、まだまだ多い。億の年俸を稼ぐ“外様”選手より、数百万の“生え抜き”に肩入れしてしまう向きもいるだろうが、それは専門家も同じらしい。スポーツ紙の記者が言う。

「前任の高橋由伸監督(43)は戦術面などで様々な問題を指摘されていましたが、若手の育成に力を入れていたことは事実です。その功績はフロントも認めていました。最大の収穫は新しい巨人の4番打者である岡本和真を誕生させたことです」

 表に出てくる若手選手は、いわば「ポスト岡本」とでも言うべき存在だ。高橋監督が我慢を重ねて起用を続けることで成長を促していた。若手も意気に感じ、スタメンを目指して激しく争っていた。

 だが、長嶋茂雄・終身名誉監督(82)に匹敵する「欲しい欲しい病」の患者である原監督が返り咲き、チーム内の失望は相当なものがあるという。

「原監督は中島宏之選手の獲得を『競争激化のため』と説明しましたが、高額な年俸を払って獲得した中島を起用しないはずがない。大物4選手の入団で、伸び盛りの若手の出番が確実に減ります。高橋監督の時は若手だけでも充分に激しいポジション争いが繰り広げられていました。若手は密かに『俺たちの出番はなくなった』と落胆しています。2軍の雰囲気は、かなり悪いそうです」(同・スポーツ紙記者)

 意外に思われるかもしれないが、原監督が若手について熱く語った記事がある。巨人の公式サイトに掲載されている「原監督が秋季キャンプを総括 期待の若手の名前を挙げる」(11月16日)だ。

 記者から「抜きんでる可能性がある選手は?」と問われると、野手に関して以下のように答えたという。ちなみに全員、掲載の表に入っている選手だ。

〈「今キャンプのキャプテンに指名した石川(慎吾)は、やっぱりレベル的に良かった。陽岱鋼、長野(久義)、あの辺に戦いを挑めるんではないかと思います」と高評価を与えました。

 さらに、「面白い存在では、経験はないけど松原(聖弥)ね。重信(慎之介)と競争、そこに勝ち残れば1軍でレギュラーと可能性も出てくるでしょう。和田(恋)にしても、あの長打力はすごい。安定した形で出してくれば、十分戦える選手だと思いますね」と期待する多くの選手名を挙げ、「1軍のレギュラーになって、チームを引っ張ってもらいたいね」と締めくくりました〉

 ここまで熱弁を振るえるのなら、FAの選手など必要ない気がしてしまうのだが、それは素人考えなのかもしれない。

 しかし、「欲しい欲しい病」の元祖である長嶋監督が、第1時政権の79年10月から11月にかけて「地獄の伊東キャンプ」を開いたことは有名だ。集められたのは「平均年齢23.7歳」(ウィキペディアより)の選手。もちろん巨人の生え抜きであることは言うまでもない。

 ここで成長したとされる選手は野手に限っても、河埜和正(67)、淡口憲治(66)、中畑清(64)、山倉和博(63)、篠塚利夫(現・和典[61])――と枚挙に暇がない。1981年の日本一を達成したのは当時の藤田元司監督(1931〜2006)だが、その中心選手を、長嶋が育てたのは事実なのだ。

 原監督は長嶋監督の第2次ではなく、第1次政権の精神を参考にしてほしい。こんなことを密かに願うG党の数は、実は多数派のような気もするのだが、果たして――?

2018年12月2日掲載

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