ノムさんのボヤキに乗せられて サッチー「学歴詐称」特番の後味

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 歯に衣着せぬ毒舌が持味、“猛女”の名を恣(ほしいまま)にしたサッチーこと野村沙知代さん。昨年12月8日に85歳、虚血性心不全で逝って、間もなく1年となる。

 この17日には、「“悪妻”という人生を生きて…野村克也・沙知代夫妻の真実」なる特集番組が、BS朝日で放送された。ネットニュースの番組PR欄には、「学歴詐称」「脱税で逮捕」の煽り文句が。「ベールに包まれた過去、知られざる素顔」「今だから話せる真実」とも。

 釣られてチャンネルを合わせてみれば……、

「特に目新しい何かが明かされたわけではなかったですね」

 とは、スポーツ紙記者。

「83歳になった気落ちする野村克也氏に密着し、息子の克則氏夫妻や前夫との子、団野村氏らの証言も交え、サッチー騒動のそれぞれを振り返るという構成。ま、ノムさんの語りは、それなりに面白くはありましたが」

 たとえばノムさん、1996年、サッチーが衆院選立候補時の“コロンビア大学留学”との学歴詐称疑惑については大胆にもこう告白、「サッチーの履歴は100%ウソ、全部ウソです」。

 99年、舞台で共演した浅香光代さんとの確執で世間からバッシングを受けた騒動の際は、サッチー、「いわせておけばいいのよ」とめげる気配もなかった。番組には浅香も登場し「今となっては」と、もう水に流した様子だった。2001年、脱税で懲役2年執行猶予4年の有罪となった際は、ノムさん自身は脱税について全く知らなかったといいつつも、大金を前にして「そりゃあ、脱税したくなるでしょう」と。

 何だかノムさんのボヤキ節に乗せられちゃった塩梅だけど、終わってみればサッチーの“悪行”の数々もどこか夫婦愛の美談に仕立て上げられてしまっていた。

「戦後、米兵相手に“パンパン”をしていたと彼女の実弟が話していた辺りも突っ込んで欲しかったかな」(芸能評論家の宇都木員夫氏)

 なんて声も――。

週刊新潮 2018年11月29日号掲載

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