「顔面しゃぶ鍋」パワハラ芸能プロ社長の“素顔” 被害者が語った一部始終

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鍋ハラの真相

 鍋に顔を突っ込まされた時ですが、クライアントや社長、プロダクションのモデルたちで、僕を入れて計12名がいました。やっぱり社長から「面白いことをやれ」と言われ、ひたすらに一気飲みをさせられた。ビールをジョッキで15杯、レモンサワーをピッチャーで2~3杯だったと思いますが、かなり酔っていたので、はっきりとは覚えていません。鍋に顔を入れられたのはそういう状況だったのです。

 2度、顔をつけられたあと、社長から「おまえヤバいよ、もう帰れよ」と帰らされた。23時ごろだったと思います。山手線に乗ったのですが、寝てしまい、気が付いた時には大崎駅で電車は終わっていました。そこからタクシーで渋谷の会社まで行き、友達に車に迎えに来てもらって……。自宅近所の病院に救急でかかったのは明け方の4時です。この時は、友達にも親にも「自分から鍋に顔を突っ込んだ」と説明していたんです。社長のことを悪く言いたくないという心理がありましたし、記憶が曖昧だったからです。

 病院の後、朝10時頃に、社長が家に訪ねてきました。曰く、「お前、自分から顔、突っ込んでいたけど、大丈夫?」。“アリバイ”を作りたかったのでしょう。でもその後、現場にいた何人かから連絡がきて、さらにあの動画も送られてきた。そこで曖昧だった記憶もはっきりして、「やっぱりやられたんだ」と。動画を見て「訴えた方がいいよ」と助言してくれた知人もいました。

 火傷は、傷痕や後遺症が残る可能性がある「II度」との診断でした。赤くただれた自分の顔を見て、言葉も出なかった。あり得ない酷いことをされた、悔しかった。でも、すぐには会社を辞めようとは思えなかったんです。社長に洗脳され、支配されていたからです。自分が紹介したモデルの子がまだプロダクションにいて、先に辞めてはいけないという、責任感もありました。

 ただれた状態は1カ月以上続きましたが、幸いにも、今は見た目には回復しました。でも、お風呂に入った後にはかゆみが出ます。洗脳が解けたいま、度を越したパワハラを受けていたことへの怒りが湧いています。

週刊新潮WEB取材班

2018年11月29日掲載

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