「稀勢の里」退場の九州場所 空席が目立っても「満員御礼」の猫だまし

スポーツ週刊新潮 2018年11月29日号掲載

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「暴力」を「かわいがり」なんて言葉で言い換えてしまうほど、とかく角界は世間の常識が通用しない世界。「満員」の定義だって然りで、空席が目立つ、大相撲・九州場所。しかし連日、「満員御礼」の垂れ幕だけは下がっている。

「この場所は、本当に見るに堪えないですね」

 と呆れ果てるのは、相撲評論家の中澤潔氏である。

 確かに客にとってみれば、木戸銭の半分は返してくれ、と言いたくなるハズ。3人の横綱のうち、初日から白鵬、鶴竜の2人が休場を表明。頼みの日本人横綱・稀勢の里も4連敗の後、あえなく退場に追い込まれた。大関陣も負けが込み、

「これでは番付があってないようなものです」(同)

 もちろんお客もそれには敏感で、テレビ中継を見ていても上段の方の席には、明確に“空き”が目立つ。

 相撲協会が公表している入場者数を見ても、完売となった初日と6、7日目を除いた2日目~5日目の客の入りは、定員の8割8分~9割4分。現地で取材する相撲担当記者も、

「平日は、当日券の売り場にも列が出来ていない日が多い」

 と言うのである。

 ところが、だ。

 やはりテレビ中継を見てほしい。今場所も初日から場内には「満員御礼」の垂れ幕がかかったまま。2年以上、途切れたことはない。つまり、協会は、対外的には、毎日、定員に達したとアピールしているのである。

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