谷垣禎一前幹事長、27カ月ぶり永田町 リハビリ恩人は尾車親方

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 落ちた人にしか分からない、それが地獄の恐ろしさであろう。

 10月31日、車椅子で27カ月ぶりに永田町に姿を現したのは、谷垣禎一・自民党前幹事長(73)である。

 谷垣氏といえば、2016年の7月、趣味のサイクリング中に転倒し、頸髄を損傷。昨年9月に政界引退を余儀なくされたのだった。

 政治部記者によれば、

「安倍総理は回復を待って幹事長を続投させるつもりでしたし、本人も政界復帰を望んでいました。しかし、後遺症は想像以上に重かったのです」

 目下、老体に鞭打ち、苦しいリハビリに励む谷垣氏だが、そんな彼を陰で支えたのは意外や意外、大相撲の尾車親方なのだという。

 相撲担当記者によれば、

「尾車親方は巡業部長だった12年、巡業先の体育館で足を滑らせ転倒。谷垣さんと同じく頸髄を損傷し、寝たきりとなったのです。しかし苛烈なリハビリを経て、7カ月で現場に復帰するという奇跡を起こした」

 そんな2人の接点はというと、

「病室で親方の自伝を読んだ谷垣さんが感銘を受け、ご家族が尾車部屋を訪ねたんだそう。親方は現役時代にも怪我で関脇から幕下への転落を経験しているのですが、地獄から何度も這い上がる親方の生き様に谷垣さんも心を動かされたのでしょう。谷垣さんが通うリハビリジムも親方の紹介だと言います」(同)

 気になるのは谷垣氏の今後の身の振り方だが、先の政治部記者は、

「政界復帰はないと思いますよ。事故以来、地元京都にも帰れていませんし、特別顧問を務める有隣会も、今や派閥の体をなしていないと言われる始末ですからね」

 ともに地獄を見た者の目には、何が映っているか。

週刊新潮 2018年11月15日号掲載

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