“非国民”罵られ「貴ノ岩」が訴え断念… 白鵬の「モンゴル互助会」パワー

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あのクズ野郎

 事実、母国の英雄を訴えた貴ノ岩へのバッシングは膨大な数に上る。モンゴルの大相撲ファンが集うSNSはいまも罵詈雑言の嵐だ。

〈バーサンドルジ(貴ノ岩の本名)の野郎はあれでもモンゴル人か?〉

〈(提訴で)モンゴルでの評判はガタ落ちだ〉

〈あのクズ野郎、先輩(日馬富士)の人生をメチャクチャにしやがった〉

 彼を庇う兄に対しても、

〈消えろ、この野郎! モンゴルから消えちまえ!〉

 と批判が向けられる始末。

「貴ノ岩が日馬富士を提訴してから、お兄さんの携帯電話は非通知の着信が鳴りやまず、そのほとんどが脅迫まがいの内容だった。こうした窮状を弟に訴えていたようだ」(角界関係者)

 現在、貴ノ岩を預かる千賀ノ浦親方も、

「訴訟のことは弟子にしてから知った。“取り下げた方が相撲に集中できるよな”とは言いましたよ」

 しかも、頼みの綱だった貴乃花親方は相撲界を去り、

「参院選への出馬説だけでなく、一部上場企業の役員に招聘されたという話もある。貴ノ岩が訴訟を取り下げる前日に放送されたバラエティ番組にも出演。いまの貴乃花には、外から角界の改革を進めるという気概も感じられません」(先の関係者)

 もし裁判に漕ぎ着けていれば、事件の遠因となったモンゴル互助会の内実にメスを入れることもできたはずだ。さらに、

「事件の起きた“モンゴル飲み会”で立場が一番上だった白鵬を巡っては、捜査当局も刑事訴追の可能性を検討していた。民事とはいえ、裁判が開かれれば公判の過程で白鵬の責任も追及できただろう」(同)

 だが、結果はモンゴル互助会の不戦勝。すべては闇に葬られてしまった。

週刊新潮 2018年11月15日号掲載

ワイド特集「男の勲章 女の勲章」より

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