寄生虫感染で自殺率1・5倍… 成人にもリスクがある「トキソプラズマ」レポート

ドクター新潮 医療

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治療薬事情

 多くの感染者が無症状とはいえ、決して害がないとは言い切れないトキソプラズマ。もっとも、その治療薬として“先天性”の発症を抑制するものは今年9月に保険適用となっており、

「いま、重篤な後天性トキソプラズマ症の治療薬も、承認に向けて動いています。『スルファジアジン』や『ピリメタミン』の開発要請をかけ、年内に臨床実験が予定されていますよ」

 との厚労省医薬品審査管理課の担当者の情報は、まさに光明。トキソプラズマに関しては、治療の進歩が今後ますます期待できるわけだ。

 いずれにしても、ご諸賢も感染しているかどうか、いっぺん検査してみてもいいのではないか。長崎大病院の森内教授曰く、

「最初に、感染しているかどうかを調べるIgG検査を行います。陰性であれば、感染しないよう、食生活などに気をつけるようお伝えして終わり。陽性であれば、IgM検査、IgGのアビリティ検査で感染時期を絞り込みます」

 冒頭の5人が受けたのはこの検査。きわめてお手軽、血液採取だけである。代金は9千円台、3千円台とばらつきがあったが、それで安心を買えるならばお値打ちではないか。

週刊新潮 2018年11月1日号掲載

特集「日本人4千万人が感染! 『自殺率1.5倍!』という寄生虫『トキソプラズマ』の知られざる恐怖」より

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