ボクシングでいえば亀田家!? 亀田興毅さん語る「アイラ・モルト」の魅力

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 スイーツ、焼肉等々、これまでも嵌ったものは数々ありますが、今、入れ込んでいるのがスコッチウィスキー。中でもクセの強いアイラ島原産の「アイラ・モルト」に嵌りまくってます。

 一度興味を持ったものには、何でもとことん凝っちゃう性格なんですよ。

 そもそもウィスキーに凝り出したのは、昨年の10月。現役時代からも親しくしている、ある年上の会社経営者の方にバーに連れて行ってもらったのが始まり。それまでお酒自体、ほとんど飲むこともなかった。焼酎もワインも知らず、いきなりスコッチウィスキー・デビューしてしまいました。

 最初はスコッチの中でも、オーソドックスなザ・マッカランやザ・グレンリベットといった、それほどスモーキーでない、クセのないものをソーダ割で飲んでました。でも、どうせならスコッチを究めてやろうと、いろいろと試していき、たどり着いたのがアイラでした。

 アイラは、スコットランドの南西にある淡路島ぐらいの島。そこに蒸留所が八つある。どの蒸留所のモルトもスモーキーでピート臭が非常に強い個性的なスコッチです。ピートとは泥炭のこと。麦芽を燻(いぶ)し乾燥させる際にピートを使うんです。最初飲んだ時は、薬臭いというか、正露丸のような刺激臭で、とても飲めたもんじゃありませんでしたよ。でも、だんだんそれがクセになり、なくては物足りなくなってしまうんですよね。

 蒸留所ごと、同じ蒸留所でも年代、寝かせ(熟成)樽によって種類は様々。樽出しの原酒は度数60以上もある。たいていは加水して出荷されます。お薦めは「アードベッグ」の10年。アイラでも一番クセの強い蒸留所のスタンダードタイプ。アイラの“ハードパンチャー”と呼んでいます。

 ま、偉そうにウンチクを傾けてますが、みんな、スコッチ好きな先輩や行きつけのバーテンダーから聞いた受け売りなんですけどね。まだボクなんて、この世界では“4回戦ボーイ”。でもショットバーで「アド・テン・ソーダ(アードベッグ10年のソーダ割)」なんて略して注文したら、通っぽくって格好いいでしょ。

 家飲みもしますが、都内に何軒かある行きつけのバーで飲むことが多いですかね。ただ、飲み出すと、つい調子に乗っちゃうことも。まだ飲み慣れていない2年前には、帰りのタクシーの中で前後不覚に寝てしまい、病院に搬送され、「亀田興毅、急性アルコール中毒」なんて大騒ぎされてしまったこともありました。それ以来、スマートに格好よく飲む、そう心がけていますが、まだまだ修行の身です。

 アイラ・モルトは、たとえていうなら、ボクシング界の亀田家みたいなものかもしれませんね。嫌いな人には徹底して嫌われるけど、好きな人にはとことん好かれる。商売にはなりませんよ。サントリー「角瓶」のような万人受けはしませんから。でも好みが両極端に分かれる、それがいいんです。

亀田興毅(31)
1986年、大阪市生まれ。元WBA世界ライトフライ級、元WBC世界フライ級、元WBA世界バンタム級の各王者。亀田プロモーション代表取締役社長。

週刊新潮 2018年10月4日号掲載

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