家族は幸福じゃなかった「大川隆法」長男の絶縁宣言

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

自分の家族すら…

「すごく心配です……」

 宏洋氏の母親、きょう子さんがこう語る。

「精神状態もふつうではなく、追い詰められてツラいんだろうと思います。私が辞めたときも、自分のやってきたことが正しかったのかどうか、なにがなんだか分からなくなっていましたから。宏洋が動画であそこまで言うようになったのは、父親との価値観の相違や霊言の矛盾、人事の不当さが原因ではないでしょうか」

 人事といえば、宏洋氏は昨年末、教団が運営する芸能事務所の代表を外された。

「宏洋の守護霊が悪態を吐いているといったことを理由にされて、降ろされたんだと思います。突然に。だからいまはとにかく怒りをぶつけているといった面もあるでしょう。今後の計画もなく、とにかく辞めることだけが先に立っている感じがしてなりません」

 今回の絶縁宣言は半ば自棄になっているのでは、というのが母親の目線だが、

「宏洋氏は以前、講話で信仰心を表明したと教団は主張していますが、今回、彼は“仕事としてやっただけ”と話した。信者たちに嘘をついていたことを暗に告白しているのです」

 とは、宗教ジャーナリストの藤倉善郎氏。

「この告白の見方を変えると、教団は信仰心のない人間を出家者として立ち回らせていたことになる。結果として、信者たちの教団への信頼が揺らぐでしょう」

 それは信者離れにつながる可能性がある。

「というのも、きょう子さんが離婚して教団を出たときも、“全知全能であるはずの総裁が、なぜ妻選びで失敗するのか”といった矛盾を感じた多くの信者が教団を離れました。今回も同じで、“総裁の指導力に問題があるのではないか”“長男が信者でないならば、ほかの4人の子どもや、現在の妻も信者ではないのでは”との疑念が生じるでしょう。自分の家族すらまとめられない人間が、巨大な宗教組織の長として、果たして適任なのかという感じはしますよね」

 この泥仕合について、「幸福の科学グループ」広報局に訊ねると、

「見解は教団理事会を経ての石川悦男理事長の判断です。大川総裁の見解ではありません。本件は一出家者の信仰心、仕事能力、教学不足等の問題です。教団は順調に発展しております」

 と、家族の問題ではないと強調する。一部の人々から“神”と崇められる男。その家族は、幸福ではなかったというほかない。

週刊新潮 2018年10月18日号掲載

ワイド特集「神無月の神頼み」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。