貴ノ岩が日馬富士に要求していた“法外3千万円” 貴乃花も支援、「暴行事件」法廷闘争待ったなし

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次の舞台は法廷

 現場となったのは、鳥取市内にあるラウンジ「ドマーニ」。その場で白鵬が照ノ富士と貴ノ岩に対して説教をしている際、貴ノ岩がスマートフォンをいじっているのを見つけた日馬富士が激怒し、暴行が始まった。それが事件の概要だが、無論、伏線はあった。2017年の初場所で白鵬は貴ノ岩に金星を献上しているが、その前夜、白鵬のマネージャーが貴ノ岩に対して、何度も“怪しい電話”をかけていた。そして、金星をあげた後、貴ノ岩は「俺はガチンコで横綱・白鵬に勝った」と周囲に吹聴。そうした背景があったからこそ白鵬は貴ノ岩らを説教し、それが日馬富士による暴行に繋がったのだ。

 警察に被害届を提出し、事件の徹底解明を求める貴乃花親方と、なるべく穏便に済ませたい相撲協会の間には、最初から深い溝が横たわっていた。親方は、警察による捜査を優先したい、との理由で相撲協会の危機管理委員会による貴ノ岩の聴取への協力要請を拒否。そうした姿勢を問題視され、協会の理事を解任された貴乃花親方が「反撃」に出たのは今年3月9日のことだった。事件に関する協会の対応について、内閣府に告発状を提出したことを表明したのだ。しかし、それからほどなくして弟子の貴公俊による付け人への暴力問題が発覚したことを受け、告発状は取り下げざるを得なくなった。

 先の記者会見で貴乃花親方が明かしたところによると、告発状を取り下げた後も、その内容について事実無根と認めるよう、協会から圧力を受け続けたという。

「認めないと親方を廃業せざるを得ないという有形無形の要請を受けてきた。弟子のこともあり、このような状況において断腸の思いではありますが、(引退が)最善の道であると苦渋の決断をするに至った」

 会見の席でそう語った貴乃花親方。そこでは、彼に似つかわしくない“敗北”という言葉まで使っていたが、これで全てが終わったわけではない。いや、それどころか、これからが本番で、次の舞台は法廷。いよいよ、貴ノ岩が日馬富士に対して巨額の損害賠償を求めて民事訴訟を起こすというのである。

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