2023年月旅行 ZOZO「前澤友作」が「イーロン・マスク」に投じるカネ

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持株を売却

 そしてやっぱり気になるのが、コストである。

 今回、月旅行の代金は明らかにされておらず、分かっているのは手付金を払ったことだけ。が、とりあえずマスク氏にいくら渡したのか、ヒントはある。

「前澤さんはスタートトゥデイの約38%の大株主で、資産の大半が自社株です。そこから、毎年の配当が約35~36億円あるほか、ストックオプションも受け取っている。お蔭でスーパーカーやバスキアの絵をポンと買えるわけですが、今年5月、持株の約1.9%を手放して、約230億円の現金を手にしている。株式売却のタイミングから見て、手付金の一部になった可能性があります」(証券会社のアナリスト)

 それで、トータルの旅費はと言うと、

「一人当たり100億円ぐらいにはなるでしょう」(前出の的川名誉教授)

つまり、8人なら約800億円。資産約4000億円の前澤氏だから出来る“殿様旅行”だが、あとは残金を払って訓練を待つだけ――と安心してもいられない。ご存じのように、マスク氏が経営するテスラ社は、前期2420億円の赤字を出し、累積で2兆3700億円の負債を抱えている。

「そのプレッシャーからなのか、8月にマスク氏はテスラ社の株を非公開にするとツイートして物議を醸しました。これが法に触れる可能性(情報開示違反)があるとして9月18日に米司法省の捜査が始まったことが明らかになっています。今のマスク氏は精神的にも資金的にも余裕がないはずです」(前出のアナリスト)

 最近では、テスラ社が運転資金をスペースXから流用する可能性も指摘されている。ひょっとすると宇宙船が電気自動車に化けてしまうかも知れないのだ。

週刊新潮 2018年10月4号掲載

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