キングオブコント優勝「ハナコ」は前途多難? 3人組は売り方が難しいワケ

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3人が売れるケースとなると……

 今後のハナコには、2種類の“ふるい分け”が襲いかかる。1つはハナコという“お笑いトリオ”に対するもの。そしてもう1つは、“3人の中での生存競争”だ。

「3人が等しく売れっ子になればハッピーエンドです。しかし往々にして、1人しか売れないことがよくあります。コンビ芸人でも『ピンでのオファーをお願いします』、『相方の出演は結構です』という場面は日常茶飯事です。『キングオブコント』の優勝者なら、バイきんぐの小峠英二さんだけが突出して売れているのは明らかでしょう。トリオなら、やはりロバートの秋山竜次さんです。秋山さんと比べると、ロバートの残り2人や、東京03の3人は、テレビでの露出度において見劣りすると言わざるを得ません」(同・在京キー局のディレクター)

 お笑いの歴史を遡り、人気を誇った3人組のうち、ごく一部を表にまとめた。紹介数の少なさに立腹の向きもあるだろうが、厳選に厳選を重ねたということでお許しいただきたい。また、チャンバラトリオや横山ホットブラザースのように、3人以上が加入していた時期を持つグループは割愛した。

 全員が売れっ子になったトリオとなると、ダチョウ倶楽部、ネプチューン、森三中くらい、ということがよく分かる。お笑いの歴史でも極めて稀なのだ。

 逆に1人だけが売れたトリオは多い。10代でも渥美清の名前は知っているだろうが、谷幹一や関敬六となると、50代でも「?」という向きは少なくないだろう。まさに格言「一将功成りて万骨枯る」のリアル版だ。

 2000年代に入り、かつてのように老若男女から人気を博した3人組の芸人は見当たらない。お笑いファンなら、我が家(03年)、ジャングルポケット(06年)、パンサー(08年)……と、いくらでもトリオ名を列挙するだろう。だが、表のような本当の売れっ子からはほど遠い。

 その傾向が、キングオブコントの歴代優勝者に反映されている。お笑い志望の“素人”にも、トリオ芸人の厳しさが鮮明に見えているのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2018年9月26日掲載

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