復活「なんでんかんでん」が大行列 川原社長が語る“旧店との違い”と“借金3千万円”

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クサくなくなった店

 肝心のラーメンの味も「昔と変わらない」(40代の男性客)という「なんでんかんでん」だが、川原社長によれば、違いもあるという。

「場所が商店街だから、店でスープを炊けないんだよ。クサいから。だから東海と九州の工場で作ったスープを混ぜて作るやり方に変えた。昔は店で炊いていたから、家に帰って服を脱いだら『クサい!』って家族に言われたよ。復活してから懐かしい顔が来てくれるようになったけれど、『あのクサい中で食べるのがよかったのに』という声もあるね」

 セントラルキッチン方式を採用し、匂い対策をとることにした背景には、こんなエピソードもある。

「店を閉めたのは6年前だけど、本当は渋谷区の幡ヶ谷に移転する計画だった。でも閉店の直前に、移転先のビルの所有者が店に来て、『クサい、クサい』と。ビルの屋上まで延ばす換気扇をつけるように言うんだよ。でも、20階建て位の高いビルだったから、見積もりを出したら500万円もするという。じゃあいいやと思って閉じちゃった」

 復活は、もともとこの場所で「ラーメン居酒屋」を営んでいた知人から相談を受けたのがきっかけだそう。いわば店の“リニューアル”として「なんでんかんでん」になった形で、店のオーナーは川原社長ではなく、その知人。曰く“僕もオーナーといえばオーナーだけど、まあ、一緒に店をやっている”というから、立場も以前とは異なるようだ。

「店を閉めてからは接客や繁盛をテーマにしたセミナーやコンサル、結婚式の司会なんかをやっていました。でもラーメン屋を辞めて6年もすると、退屈してきてね。50も半ばになって、残りの人生を考えました。嫁からは『パパ、今は会社に勤めた方が気楽な時代よ』と心配されていますけれど」

 川原社長といえば前の店を閉店するにあたって、莫大な借金を抱える身になったことも報じられた。失礼ながら、復活の理由には、お金の問題もあったのでは?

「いやあ、報道では5億円とか言われているけど、それは今まで借りてきたお金の合計。返した分も含まれていて、今ある借金は3千万円くらい。税金関係とか車のローンでね。それも金融機関からは借りていなくて、友だちからだから、厳しい取り立てというのもないよ。ちなみに『マネーの虎』でトータル2千万円を出資したけど、回収できたのは5分の4くらい。宣伝費と思えば安いね」

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