復活「なんでんかんでん」が大行列 川原社長が語る“旧店との違い”と“借金3千万円”

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すでに1人辞めた

 店で炊くことをやめ、また自身が店の“経営者”でもないという新生「なんでんかんでん」。復活の意気込みを尋ねると、

「ラーメン屋をやるにあたっては、味どうこうは関係ない。もちろん美味しいにこしたことはないけれど、今のラーメン屋はある程度、味に自信があってみんなやってるから。味よりも、僕は接客で店を繁盛させてきた。前の店をやっていた二十数年間も、接客を意識していたから。ニコニコしない怖いラーメン屋もいますけどね。佐野実とか」

 それだけに、接客の要となる従業員不足が痛いという。

「今はラーメン屋に限らず、飲食業界は人手不足。『フロムエー』か『an』の誌面で募集すればすぐに集まった昔と違って、人が集まらないし、すぐ辞める。復活してから今日までの5日ですでに1人辞めましたよ。ラーメン屋って結構キツいんですよ。暑いし、延々と卵の殻を剥くとか、単純作業だし……。最近の若い子は、同じことを繰り返す仕事が嫌みたい」

 高円寺に復活した店舗は、20人ほどが座れる1階とは別に、大卓が設けられた2階席もある。だがこの日は、人手不足のため、こちらは閉じていた。

「今はキッチンに4人いますが、本当はもう1人ほしい。仕込みなんかを考えると、もう2人。もっと従業員にも厳しくやりたいんだけれど、辞められると困るからできない。今、店で出す『味玉』は卵から店で作ってますけれど、仕入れた分の卵が終わったら、それは止めて、最初から半熟の状態で売られているものを買うようにするつもり。人が足らなくて、殻を剥くのが間に合わないから。ネギやキクラゲは初めからカットしているものを使うようにしましたし、昔の店では葉から毎日切っていた高菜も、今は刻んであるものを使っている。人材のためには、1人あたりのキツい作業を減らさなくちゃならない」

 店の評判に影響しかねない裏話だが、平気な顔で淡々と告白する川原社長である。このあたり、やはりラーメン屋よりも経営者気質。“虎”の牙は、いまも健在か――?

週刊新潮WEB取材班

2018年9月12日掲載

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