「安室奈美恵」引退カウントダウン Final Tour DVDで異例の“提供読み”

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関係者も「前代未聞」と驚愕

 読売新聞は1992年12月7日、夕刊に「[スタジオ発]安室奈美恵 歌もダンスも一流に」の記事を載せた。沖縄出身のアイドル・グループ、スーパー・モンキーズ」のデビューシングル「ミスターUSA」が好調だったことを紹介している。

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 記事中で安室は「考えこんで失敗するタイプなので、自然体でいきたい」という若々しい意欲を表明している。そして結びは、こんな具合だ。

《三年前から、地元のタレント養成学校に通い、歌とダンスの勉強を続け、今年三月にデビュー。CMでも三社と契約する。まだ中学三年生ながら、「仕事に専念したいので、高校には行かない」としんの強さを見せる。

「あこがれのジャネット・ジャクソンみたいな、歌もダンスも一流と言われる歌手になりたい」と話す》

 あれから26年。中学校3年生だった安室奈美恵は40歳となった。孔子が「四十にして惑わず」と喝破したように、9月16日の「引退Xデー」に向かって迷わず突き進んでいる。

 ちなみに週刊新潮は5月17日号に「『安室奈美恵』引退ビジネスで稼いだ天文学的な金」の記事を掲載し、利益を約200億円と推測した。「優良中堅企業の年間売上に匹敵する」としたが、例えばドローンの市場規模は2016年度に200億円を突破した。こうなってくると、彼女の引退による経済効果には“産業”という言葉さえ浮かぶ。

 何しろ「国民的歌姫」とまで形容された。人々が先を争うように関連グッズを購入しないほうがおかしい。1人の歌手としては桁違いの“市場”が出現しても、むしろ当然だろう。音楽担当の記者が言う。

「ここ最近、民放の深夜番組などの提供紹介の時、DVDやBlu-rayで発売されている『namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~』が表示されるのをご覧になった方もいらっしゃると思います。この作品はAvex Entertainmentが発売元なので、提供として社名が読み上げられ、番組の合間にDVD/Blu-rayのCMを流すのが普通でしょう。ところが、今回はDVD作品が単体で提供する形になっています。調べてみましたが、ここ10年では確認できませんでした。史上初の可能性も極めて高いでしょう」

 過去には、映画作品や歌手名、開催されるライブの名称などで、番組提供が読み上げられたことはあったという。だが、既に公演の終わったライブ、それも1歌手のライブDVDが提供名義となったのは異例のことだという。

「DVD単体で提供が読み上げられれば、視聴者に与えるインパクトが桁違いなのは明らかです。とはいえ、簡単に実現できる戦略ではありません。理由はシンプルで、普通ならDVDの作品1本で、特別の広告費を捻出できるだけの売上はありません。安室奈美恵の引退ライブを収録したという歴史的なDVDで、大ヒットとなったからこそ、可能となった広告戦略と言えるでしょう」(同)

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