マドンナ御用達「ドルチェ&ガッバーナ」3億円サギ事件 日本社長は自宅仮差押えに…

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聴き取りすらない

 ところで、業務上のメールを装って送金を促すビジネスメール詐欺はいま、世界で流行している。昨年12月には日本航空が、約3億8千万円の被害を受けた旨を公表したが、

「組織として対応すべきことで、個人に責任を負わせるべきものではないと判断しました」(広報部)

 一方、オーナーのドルチェ氏、ガッバーナ氏のワンマン会社たるや……。

「代表取締役であろうと、気に食わなければ辞めさせるのがドルガバ流なんでしょう。でも菅井さんは全然納得してなくて、ブラック企業でひどいパワハラを受けたという認識。実際、個人が責任を負うべきことではありませんから」

 そう話すのは菅井元社長の知人。田部井氏の代理人を務める弁護士も言う。

「本人は上司の指示通りに業務を遂行し、会社が損害を被るのを防いだとの認識でした。ところが聴き取り調査すらないままいきなり辞めろと言われ、辞めて本来取る必要のない責任を取ったはずが、追い打ちに家にまで仮差押えを受ける。本人は悲しみ、怒り、絶望感に襲われています。相手の出方を見つつ、精神的苦痛への慰謝料請求も視野に入れていくつもりです」

 上司の指示に従ったつもりが、人生のレールから転落。いや、サラリーマンには、対岸の火事ではない。

週刊新潮 2018年9月6日号掲載

ワイド特集「人生の収支決算」より

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