北海道地震で牛乳の生産がストップ 牛乳やバターが店頭から消える可能性は?

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「生乳」と書いて「せいにゅう」と読む。絞った牛乳のことを指すわけだが、北海道は全国の生乳生産量の5割強を占める。それが北海道地震の影響で、現在、実質的に生産がストップしてしまっている。スーパーやコンビニから牛乳パックが消える日が来るのか、心配している方も多いだろう。

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「明治おいしい牛乳」でおなじみの明治(東京都中央区京橋)が北海道に持つ工場は7カ所。それが9月7日現在、全て停止しているという。広報担当者に話を訊いた。

「停電が原因です。道内で順次、電力が回復しているという報道もありますが、一般のご家庭が優先される可能性は否定できません。私どもの工場は、後回しになることを前提としていますが、飲料用でしたら首都圏の場合、近隣の生乳を多く使用しております。その確保量を改めて精査し、もし不足分が生じたなら、バターやチーズ用の生乳を飲料用向けに振り分けるつもりです」

 問題のカギを握るのは電力だ。工場で飲料用牛乳を生産する時だけでなく、乳牛から搾乳する場合でも、生乳の保管・輸送にも、電力が必要になることは多い。

 全国農業協同組合中央会(JA全中)の比嘉政浩専務理事(57)は、6日に開かれた定例の記者会見で懸念を示した。NHKの「北海道で震度7 停電長引けば全国の50%生産の生乳に影響 JA全中」から引用させていただく。

《「100頭以上の牛を飼っているような酪農家は電気を使って搾乳をするし、搾乳後も冷蔵のために電気が必要だ。一定の規模以上の酪農家は発電機を持っているところも多いが、燃料に限りがあるため時間との戦いだ」と述べ、停電が長引けば大規模経営の酪農家を中心に特に影響が懸念されるという認識を示しました》

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