石破茂、“裏切り者”扱いに反論 総裁選めぐる安倍陣営の“殲滅作戦”への対抗手段は…

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“石破茂は裏切り者!” 安倍総理の「総裁選オフレコ発言録」(2/2)

 安倍総理は石破さんに激しい恨みを持っています――。さる自民党議員は、総裁選で“敵”となる石破茂元幹事長(61)に対する安倍晋三総理(63)の胸中をこう代弁する。背景には、1993年に自民党が下野した際に離党、新進党に移籍するなど、石破氏の“3度の裏切り”があると指摘。これを機に石破派の殲滅(せんめつ)を目論む安倍陣営のオフレコ発言が聞こえてくるのだ。

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 対する石破氏は、安倍陣営の殲滅作戦に何とか抗したいところだが、9月7日告示という「本選」を前に、

「早くも防戦の様相を呈しています」

 と、全国紙の自民党担当記者は幾分冷ややかに見る。

「石破さんは8月10日の出馬表明会見で、『正直、公正、石破茂』というキャッチフレーズを掲げましたが、裏を返せば『不正直、非公正、安倍晋三』と言っているに等しい。これには石破さんを支持する参院竹下派の吉田さん(博美・参院幹事長)も、『個人的なことで攻撃していくのは非常に嫌悪感がある』と指摘せざるを得なかったほどです」

 別の自民党担当記者が後を受ける。

「石破派の後藤田さん(正純・元内閣府副大臣)ですら、『あのキャッチコピーは最悪だった。自民党内の内ゲバ姿を見せたくなかったのに』と、周囲にぼやいています。石破さんのキャッチフレーズのトバッチリで、自分の入閣が遠のくのではないかと心配しているんでしょうが……」

 こうして身内からも不興を買った石破氏は、8月24日に記者団と行ったオフレコ懇談で、

「(『正直、公正』は)一般論を言っただけで、そんな話(安倍総理への個人批判)になるのは変じゃないか」

 と、「強気」の姿勢を披露してみせた。だが一方で、

「21日に都内で行われたフォーラムでは、『安倍さんとの違いを3点お聞かせいただけますか』と質問され、『ここが違うと声高に申し上げるつもりはありません。まして、個人批判をするつもりはありません』と逃げるような答えをしていた。質問者は直接的な安倍批判をしろと言ったわけではなく、『違い』を訊(き)いただけだったんですが……」(聴衆のひとり)

 挙句、ナーバスになったのだろうか、石破氏は25日になって、

「人を批判するつもりはないが、そう捉える方もあるなら、(キャッチフレーズを)変えることはある」

 こう記者団に語り、結局後に、改めてキャッチフレーズは変えない方針を示したものの、ふらついている印象を与えたのだった。

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