“愛弟子”玉城デニーが沖縄知事選出馬 小沢一郎の苦衷

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 当選17回のベテランも、不安を隠し切れないでいるらしい。

 自由党衆院議員の玉城(たまき)デニー氏(58)と前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏(54)の事実上の一騎打ちとなった沖縄県知事選。愛弟子の出馬を巡り揺れるのは、自由党党首の小沢一郎氏(76)の心境だ。

 8月8日に亡くなった翁長雄志(おながたけし)知事の後継として“音声データ”による御託宣を受けた玉城デニー氏。23日には県政与党などでつくる調整会議から全会一致の出馬要請を受けたのだが、22日に続き、26日にも出馬表明を再び延期した(29日に正式表明)。

「党首の小沢一郎さんが慎重になっているんですよ」

 とは、政治部デスク。

「玉城さんが出馬のために衆院議員を辞職すれば、自由党の衆院会派は小沢さん1人になってしまう。参院に4人いるので政党要件は満たすものの、虎の子の1議席を手放すわ、知事選には負けるわでは、目も当てられませんからね」

 結果、剛腕で鳴らした往時の姿は鳴りを潜め、

「出馬しろともするなとも言えずに、とにかく野党共闘で応援してくれる態勢が整っているのかと心配ばかりしている。24日に沖縄入りして玉城さんやオール沖縄の幹部と打合せをした小沢さんですが、それでは飽き足らず、27日から28日にかけて再び上京した玉城さんと打合せの場を設け、野党共闘の態勢が整うかを審議することになった。出馬表明が延期されたのもそれが原因ですよ」(同)

 では、肝心の“勝ち目”はあるのか。地元紙記者によれば、

「目に見える数字だけをみれば、残念ながら佐喜真さんが優勢ですね。前回知事選で自主投票を決めた公明党が今回は自民党候補に推薦を出し、さらに維新の会も乗っかった。一方で、翁長陣営の中核をなしていた観光大手『かりゆし』グループは自主投票としてしまい、玉城さんは無党派層頼みになってしまった」

 小沢氏が政界の壊し屋の異名を取ったのも今は昔。石橋を叩いて渡るその背中は、随分と小さく見える。

週刊新潮 2018年9月6日号掲載

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