2030年に日本人が月面着陸? 米基地計画にJAXA参加

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 いよいよ日本人が月面に一歩を踏み出す日がやって来る――そんな期待を抱かせるニュースを「産経」が報じたのは、8月17日のこと。

 それによると、アメリカが目指している月面基地計画にJAXAも参加し、その中でも重要な、有人着陸船の開発を担うというのだ。

「日本が作る着陸船は4人乗りで、重さ約35トン。LNGエンジンという独自のエンジンを使い、行きたいところにピンポイントで着陸できる。2030年ごろの月面着陸を目指しますが、当然、日本の宇宙飛行士が乗り込むことになるでしょう」(JAXA関係者)

 ご存じのように、日本の有人宇宙探査といえば、アメリカやロシアのロケットに乗せてもらい、国際宇宙ステーションに滞在するレベル。自前の「船」を作って月に行けるほどの技術はあるのだろうか。

 JAXAの的川泰宣名誉教授が言う。

「すでに日本はH−IIBロケットで補給機『こうのとり』を打ち上げています。これは、人が生活できる1気圧の乗り物を宇宙に持っていく技術があるということ。また、ご存じ『はやぶさ』は宇宙空間にある目的地(小惑星イトカワ)に行って戻って来ています。宇宙飛行士の数だって7人と、アメリカとロシアに次いで多い。残された課題はありますが、ゴーサインが出れば、技術的に可能だと思います」

 もっともJAXAでは、

「今のところ、十数カ国でつくられた『国際宇宙探査協働グループ』という組織で、日本にどんなことが出来るのか検討している段階です。着陸船はその候補のひとつ」(広報担当者)

 と慎重な回答。なにしろ開発に1千億円以上かかるしろものである。財務省を説得する“技術”も必要なのだ。

週刊新潮 2018年8月30日号掲載

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