求婚されない“かぐや姫” 大塚家具の再生条件は「久美子社長」退陣

企業・業界週刊新潮 2018年8月30日号掲載

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 5人の貴公子から求婚される「竹取物語」のかぐや姫は、相手を諦めさせようと無理難題を吹っ掛ける。一方、大塚家具のかぐや姫こと大塚久美子社長(50)は会社が傾いても、誰からも見向きもされず、孤独に打ちひしがれている有り様。もはや、命儚い月下美人のようなのである。

 親子喧嘩の果てに、創業者で父親の勝久前会長を追い出したものの、久美子社長は結局のところ、経営センスに欠けていた。

 この3年、ずっと赤字続きなのだ。

 8月14日に発表された中間決算でも20億円の赤字を計上。そのうえ、決算短信には、将来的に事業継続が困難になる恐れがあることを示す“継続企業の前提に関する重要な疑義”の注記が付く始末だった。

「自力再建は困難との見方が広がっている大塚家具の身売り先として、いくつかの企業の名前が挙がっています」

 と、経済部デスクが解説する。

「しかし、現状では、銀行団が10社以上をリストアップしている段階に過ぎず、交渉に入っているというわけではありません。例えば、ヨドバシカメラは、そのリストに入っていましたが、早々に社長が“噂が噂を呼んでいるだけ”と支援を全面否定した。また、業務提携している貸し会議室大手のTKPとの身売り交渉が最終調整を迎えているなどと報じているメディアもある。でも、ビジネスモデルが違い過ぎて、やはり支援に乗り出すことはないのではないかとの見方が大勢です」

 さらに、海外からは、台湾の企業グループである能率集団の名前も挙がっている。

「台湾の企業は、シャープを買収した鴻海(ホンハイ)のように工業製品や精密機械のメーカーに投資することはあります。能率集団もこれまでに、日本のプラスチック製造会社に資本参加している。ですが、消費財を小売りする大塚家具は、投資対象にはならないのではないでしょうか。技術力を手に入れられるわけでもなく、メリットが少ないからです」(同)

 つまり、支援の手を差し伸べる「求婚者」はいまのところ現れていないのだ。

 その一方で、久美子社長は、経営不振の責任を取ってその座を明け渡すつもりもないようである。

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