求婚されない“かぐや姫” 大塚家具の再生条件は「久美子社長」退陣

ビジネス 企業・業界

  • ブックマーク

Advertisement

現預金の激減

 大塚家具の関係者によれば、

「久美子さんの経営姿勢は、一貫して、勝久さんを否定するものでした。挙げ句、勝久さんが手を出さなかった中価格帯やリユースの商品も扱い、悉(ことごと)く失敗。しかし、経営者として父親に負けるわけにはいかないと、未だに自分の手で大塚家具を再建する意向です。とはいえ、3年前には109億円もあった現預金が14億円にまで激減し、悠長なことを言っていられる状況ではありません」

 通常、小売り業の場合、仕入れのために年間売上の1割程度の現預金が必要だという。

「大塚家具の年間売上は、約410億円。現預金が14億円程度では、仕入れ代金の支払いができず、いつ資金ショートを起こしてもおかしくない。そのため、大塚家具は、銀行団から50億円の融資枠を確保しました。しかし、久美子さんが退陣しなければ銀行団は融資に応じないはず。もし、久美子さんが社長の座に固執すれば会社は潰れるほかなく、潰れないためには彼女が辞める以外にない。八方塞りなのです」(同)

 大塚家具のかぐや姫は、月の使者ではなく、銀行の使者によって幕を閉じることになりそうだ。

週刊新潮 2018年8月30日号掲載

ワイド特集「黙ってられるか」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。