北朝鮮が突然、拘束“日本人男性”を追放―「身代金支払い」でスピード解決!?

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これまでの最短“解放”は約40日

 全世界から北朝鮮を訪れる観光客は年で数千人。興味を持つ人に比べると、その数は少ない。このアンバランスが、さらにブームを生む。結局のところ大多数の人々は、安全な自宅で北朝鮮の写真や動画を見たいのだ。そうした“需要”を当て込み、ごく一部の“大馬鹿者”が北朝鮮を訪れる。

「80年代から90年代、北朝鮮は神秘の国と見なされていました。その空気を伝える代表作が、テリー伊藤さんが93年に上梓した『お笑い北朝鮮―金日成・金正日親子長期政権の解明』(コスモの本)でしょう。ところが近年は“怖い国”というイメージが強くなっています。つまり、お化け屋敷ですね。怖い思いをするために、人はお化け屋敷に行きます。北朝鮮も同じです。YouTuberが北朝鮮でK-POPを流すような無茶な行動に踏み切るのも、どこかで彼らは怖い体験をしたいからでしょう。それが悪質な冗談で済まされているのは、北朝鮮が黙認しているからです。観光で外貨を稼ぎたいので、観光客が減るようなことは避けたい。とはいえ、彼らが設定する一線を越えれば、拘束などの強権を発動させてきます。これこそが今回の教訓でしょう」(辺氏)

 北朝鮮当局は杉本氏を徹底的に調査したに違いない。そして、日本のスパイではないことや、偏った政治思想の持ち主でないことなどは、確認しているはずだ。要するに杉本氏が一般人だったから釈放したわけだが、辺氏は「それにしても、2週間の拘束で終わったのは最短記録です」と驚く。

「例えば13年、北朝鮮はアメリカ人観光客のメリル・ニューマン氏を拘束しました。ニューマン氏は何と85歳でした。当局は朝鮮戦争の従軍歴を問題にしたようですが、高齢などを理由に約40日で釈放しています。今回の杉本氏は、その半分以下のスピードです。これほど早いとなると、政府か杉本氏かは不明ですが、身代金の支払いで合意した可能性があります」

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