道ならぬ恋、妊娠… 「有馬稲子」が怨みを綴った有名監督の名

芸能週刊新潮 2018年8月9日号掲載

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 女は恨みを忘れないと言うが……。女優の有馬稲子(86)が、不遇な幼少時代から、銀幕のヒロイン、そして今日までを赤裸々に告白する自伝を上梓。そこには、実名こそ伏せられているが、道ならぬ恋に落ち、妊娠までさせられたあの巨匠への恨み辛みも綴られていた。

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 タイトルは、『有馬稲子 わが愛と残酷の映画史』(筑摩書房)。映画評論家で監督業もこなす樋口尚文氏によるインタビューを共著という形で纏めたものだ。

 その樋口氏が言う。

「インタビューは1回4〜5時間。4日ほどかけて行いました。これだけ長時間お話しされたのは、自身の女優時代について話したい、残しておきたいという思いが強かったからだと思います」

 発売1カ月で売れ行きは堅調な滑り出しだというが、それもそのはず。中身がかなり衝撃的なのである。

 両親の夫婦仲が悪く、4歳で釜山の伯母夫婦に引き取られたという生い立ちから始まり、9歳の頃に伯父が急逝し実家に戻ると、実父の暴力に遭い再び釜山へ。終戦を迎えて密航漁船で帰国し、実家から抜け出すために宝塚歌劇団を受けたことが、後の銀幕のスター誕生に繋がるのである。

 さらに小津安二郎や小林正樹といった名監督との秘話も語られている。が、一番の読ませどころは、あの有名監督とのただならぬ関係についてのくだりだ。

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