監督たちのバイブル『甲子園の心を求めて』をめぐる物語 部員に根付いた“全員野球は哲学”
監督たちのバイブル『甲子園の心を求めて』をめぐる物語――小林信也(1/2)
今年で100回目を迎える“夏の甲子園”。さて、貴方はご存知だろうか。高校野球の指導者たちが“バイブル”として愛読している一冊の本があることを。『甲子園の心を求めて』――幻の名著に導かれた男たちの奇跡の物語をスポーツライター・小林信也氏が綴る。
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『甲子園の心を求めて』(報知新聞社刊)という本がある。“幻の名著”と呼ぶべき一冊。昭和50(1975)年6月に発行され、4年後には新版と続編も出版されたほど人気を得た。
著者は、都立東大和高校監督(当時)の佐藤道輔さん(故人)。...