プーチン一大事 “年金受給年齢引き上げ”で“支持率急降下”

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 ロシアのプーチン大統領の支持率が急降下している。3月の大統領選で圧勝して4選を果たしたが、5月下旬に80%だった支持率は7月上旬に63%まで低下。その主な原因は、年金受給開始年齢の引き上げだった。

 サッカーW杯に国民が沸くなか、ロシア政府は日本の消費税に当たる付加価値税などの引き上げを発表した。現地記者によれば、

「なかでも、年金受給開始年齢の引き上げは国民の生活を直撃するでしょう」

 ロシアの年金には、大きく分けて国家公務員や軍人などが受給対象の国家保障年金と、一般国民の労働年金がある。ちなみに、受給開始年齢は男性60歳、女性55歳だ。

「政府は受給開始年齢を男性65歳、女性63歳へ段階的に引き上げると発表しました。ロシア人男性の平均寿命は66・5歳、女性は77歳ですが、政府は12年後に男性75・8歳、女性83・7歳まで延びると予想しているのです」

 ロシア人男性の寿命が女性より極端に短いのは、ウォッカの過剰摂取が原因との指摘がある。ロシアに限らず、年金受給開始年齢の引き上げは国民にとっては一大事だが、

「日本では保険料を支払わないと年金を受給できません。ですが、ロシアではソ連時代の名残で保険料を支払わない国民も月額約2万円が支給されます」

 こう解説するのは、拓殖大学海外事情研究所の名越健郎教授だ。

「以前から年金基金の資金は枯渇し、国がそれを補填していました。近年、原油価格の下落などでロシアの国家財政も逼迫し、年金基金に十分な資金を回せなくなりつつあるのです。目下、ロシアは長い夏休み。秋口から大規模な反政府デモが全国各地で起きれば、プーチン大統領も受給開始年齢の据え置きなどの妥協策を打ち出すかもしれません」

 ウォッカの値段が急激に下がったりして。

週刊新潮 2018年8月2日号掲載

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