夏ゴルフ、心筋梗塞を呼ぶ“魔のホール”は「1、2番ホール」と「10、11番ホール」

ライフ週刊新潮 2017年7月20日号掲載

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盛夏の突然死を防ぐ総力ガイド(3)

 サウナのような酷暑が容赦なく日本列島を包んでいるこの季節、熱中症はもちろん、大量の発汗によって血液が濃くなり、「夏血栓」が作られやすくなっている。その先に待っているのは、脳梗塞や心筋梗塞での突然死――。ぜひ注意したいのが、「夏のゴルフ」の危険性だ。(以下、「週刊新潮」2017年7月20日号掲載。※データは全て当時のもの)

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 緑の芝を踏みしめ、青い空に向かってフルスイングするのは気分爽快である。だが、ゴルファーにとって夏は最も危ない季節だ。

 日本ゴルフ学会理事で聖マリアンナ医科大学スポーツ生理学研究員の吉原紳氏が言う。

「そもそもゴルフやランニングは突然死のリスクが高いスポーツなのです。たとえば、ゴルフで急死する人のうち、心疾患で亡くなる人が7割、脳疾患で亡くなる人は2割ぐらいいるのです」

死者でトップ、危険なホールは

 何しろ、中高年が楽しむ屋外スポーツの中でもゴルフによる死者は3割近くを占め、ダントツというデータもある。なかでも突然死のタイミングはショットの瞬間が多いという。打つ時、息を止めて力むからだ。

「ティーグラウンドに立つだけでも人は心拍数と血圧が20%ほど上昇します。ナイスショットならまだしも、変なところに飛んでしまうと、さらに脈拍数が増えてしまう」(日本ゴルフ学会理事で聖マリアンナ医科大学スポーツ生理学研究員の吉原紳氏)

 吉原氏の調査によると、18ホールのうち、最も危ないホールも分かっている。スタートしてすぐの1、2番ホール、そして昼食後の10番、11番ホールだ。

「1、2番ホールで倒れてしまうのは、普段より早起きして食事もせずにスタートしたりするためです。身体のコンディションが整っていない時に息を止めて打つから突然死につながるのです」(同)

 また、10番、11番ホールが危険なのは昼食時に飲酒する人が多いためだ。吉原氏は被験者に飲酒後にゴルフをしてもらい、それが身体にどんな影響をもたらすのか実験を行ったことがある。

「すると、平均の血圧で上が120ぐらいの人でも飲酒するとそれだけで140にはね上がる。また、ビールには利尿作用があるので、尿として水分が排出されてしまい脱水症状の原因になる。もし、昼間にコップ1杯でもビールを飲んだら、少なくとも40分〜1時間休む必要があります。ガンガン飲んでから後半のハーフを回るなんて自殺行為です」(同)

坂上二郎も…

 ゴルフの危険性に、夏の酷暑が加わると恐怖の「夏血栓」に一直線である。

「夢中でクラブを振っているうちに、熱中症になったり、血液がドロドロになって、血栓が出来てしまう危険性をゴルファーは忘れてはなりません」(日本ゴルフ学会理事で聖マリアンナ医科大学スポーツ生理学研究員の吉原紳氏)

 かつて、亡くなったコメディアンの坂上二郎(コント55号)は、残暑厳しい9月、ゴルフのプレー中に脳梗塞で倒れ、左半身が不自由になってしまった。その後、必死のリハビリで舞台に復帰出来たものの、6年前、再び脳梗塞を発症しこの世を去っている。

 暑い日のゴルフの危険性。そこにちょっとした注意があれば、彼の元気な舞台をもっと見られたかも知れない。

特集「『西城秀樹』を地獄に落とし『坂上二郎』の命を奪った酷暑の『隠れ脱水』 『夏血栓』は致死率30%超!『夏ゴルフ』心筋梗塞を呼ぶ『魔のホール』は何番? 盛夏の突然死を防ぐ総力ガイド」より