「山口組」緊迫の夏 六代目の最後通牒は“本家へ復帰できるのは8月まで”

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「夏休みなし」

 先のジャーナリストは、

「神戸山口組の組員数は、分裂当初の3分の1程度になっている、とも言われています」

 として、こう語る。

「昨年4月には、山健組の織田絆誠(よしのり)元副組長が『任侠団体山口組』(現・任侠山口組)を結成して出ていき、今年に入ってからも、山健組の有力組織だった兼一会が六代目山口組系組織に移籍するなど、離脱者が後を絶たない。山健組だけではなく、宅見組も切り崩されている。昨年カタギになっていた有力な元組長が、この7月、複数の若い衆と共に六代目側に復帰することが決まったのです」

 昨年9月には、任侠山口組の織田代表が乗っていた車などが襲撃され、彼のボディーガードを務めていた組員が射殺されるという事件が起こっているが、未だ未解決のままである。

 この事件の翌月、暴力団追放兵庫県民センターが、兵庫県淡路市にある神戸山口組の本部事務所の使用禁止を求める仮処分を神戸地裁に申請し、後に認められた。去る7月3日には、神戸山口組が使用禁止の決定を守らない場合、1日100万円の制裁金を支払うよう、地裁が命じた。

「本部事務所を使用できなくなったことは、神戸山口組にとって大きなダメージでした。組員数の減少、士気の低下など、様々な面から見て、六代目と神戸の勝負は大筋ですでに決している」(先のライター)

 六代目山口組の直系組長の1人が言う。

「復帰の期限を設けたんは、いつまでもジャラジャラやっとってもしゃあない、やり直すんなら今しかないで、声かかっとるうちが花やで、いうことやな。8月は大変になる。皆、夏休みなしで復帰組への対応に当たることになっとるんや」

 では、復帰期限を迎えた後には何が起こるのか。

「散々切り崩されて追い詰められ、手負いの獅子となった神戸山口組の組員が暴発する可能性がある。騒動の収束を見据えて、“最後にひと暴れ”と考える組員が出てくることも予想される」(先のジャーナリスト)

 リミットまであと1カ月。山口組「分裂騒動」は最後の山場を迎えている。

週刊新潮 2018年8月2日号掲載

特集「『本家へ復帰できるのは8月まで』 六代目の最後通牒で『山口組』緊迫の夏」より

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