金融庁新長官は“9時半の男” 自宅所在地に見る「危機管理」意識

政治週刊新潮 2018年7月26日号掲載

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“8時半の男”と聞けば、往年の野球ファンは巨人のリリーフエースだった宮田征典氏を思い出すはず。一方、銀行業界から“9時半の男”と呼ばれている官僚がいる。それは7月17日に金融庁長官に就任したばかりの遠藤俊英氏(59)だ。

 遠藤氏が長官に就任する1週間前、記者会見で麻生太郎財務相兼金融担当相はその印象を聞かれると、

「森に比べて、人柄は何となく優しいんじゃねえの」

 麻生大臣が口にした“森”とは、金融庁トップを異例の3年務めた森信親前長官を指す。メガバンクの幹部によれば、

「森さんは銀行ばかりか、部下にも厳しく、他人の意見に左右されない信念の人。その苛烈さから35年以上前に問題になった戸塚ヨットスクール事件に擬えて“森ヨットスクール”と揶揄されていました。一方、長らく監督局長を務めていた遠藤さんは対話重視の理論家で、我々の意見にも耳を傾けてくれます」

 山梨県出身の遠藤氏は、1982年(昭和57年)に東大法学部を卒業し、旧大蔵省に入省したバリバリのエリートだ。遠藤氏を知る財務省の官僚は、

「57年組は福田淳一前財務事務次官や佐川宣寿前国税庁長官、自民党の片山さつき参院議員など多士済々。なかでも、遠藤さんは“参謀本部”と呼ばれた主計局総務課に配属されて、早くから“将来の事務次官候補”と呼ばれたエースの1人でした。本省に残っていれば、事務次官に上り詰めていたはず。一見、強面ですが、温厚な性格で敵を作らない調整型で、部下からも慕われています」

 02年7月に金融庁へ移った遠藤氏は、長官の登竜門と目される検査局長や監督局長を歴任し、かねてから“ポスト森の大本命”と囁かれていた。

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