ただ今ブレーク中の「出川哲朗」 ドラマ制作者から早くも“期待と不安”の声

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今日は大根でも、明日は名優?

 充分な活動ができなかった背景にはウッチャンナンチャンの多忙が挙げられているが、それでも2010年には劇団再始動公演を実施している。しかし今となっては、ウッチャンナンチャンだけでなく出川のスケジュールを押さえることも難しいのかもしれない。

 いずれにしても、出川は演劇人、舞台のコメディアンとしての経歴も持っている。渥美清の名前が出たのも縁があるからだ。86年から89年まで、出川は5作品連続で「男はつらいよ」に出演している。

「横浜放送映画専門学校に入学したのも、劇団を作りたかったからだそうです。映画もテレビドラマも、舞台にも出演歴があります。しかし、話題になったことは、ただの一度もありません。お世辞にも、役者として上手だとは言えないでしょう。それでも今の大人気を利用して、起用に踏み切るドラマ班が出たとしても、少なくともテレビ関係者なら誰も驚きません」(同・ディレクター)

 もちろん、いきなり主役というのは不可能だ。渥美清も最初は極めて個性的で、魅力的な脇役として存在感を示した。

「現実的なお手本としては、『ふぞろいの林檎たち』(83〜97年/TBS系列)の柳沢慎吾さん(56)、さんまさんが役者としても大活躍した『男女7人夏物語』(86年/TBS系列)と『男女7人秋物語』(87年/TBS系列)の片岡鶴太郎さん(63)が浮かびます。ただ、やはり実際に出川さんをキャスティングするのは、相当なリスクでしょう。それでも勝負をかけるとすれば、テレビ東京でしょうか。『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』が好評ということもあります。『三匹のおっさん』や『バイプレイヤーズ』、『孤高のグルメ』といった作品で起用する手はあるかもしれません」

 最初は大根役者と批判されていても、キャリアを積み重ねるうちに名優と評価された脇役は珍しくない。

 それこそ、ドリフターズのリーダーとしてお笑いの世界でトップランナーだった故・いかりや長介(31〜04)も、本格的な俳優デビュー作となったNHKの大河ドラマ『独眼竜政宗』(87年)の演技はぎこちなかったが、みるみるうちに存在感を発揮していった。果たして出川も化けるのか、確かに要チェックに違いない。

 ちなみに7月20日から東京・下北沢の本多劇場で「ホリケン演劇の会 第五回公演『ラヴ戦争』」が公開される。ネプチューンの堀内健(48)が脚本を担当し、本人も出演するが、ここに出川が共演する。チケットは完売し、追加販売が行われたほどの人気だ。

週刊新潮WEB取材班

2018年7月16日掲載

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