日本最速でも日本一になれない… 「桐生祥秀」のチキンハート

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 日本最速の男といえば、誰しも日本人唯一100メートル9秒台を記録した桐生祥秀(22)を思い浮かべるだろう。

 だが、この男、“よーいドン”では“一等賞”を獲れないのである。

 アジア大会代表選考を兼ねた日本選手権が開催され、100メートルは山縣亮太(26)が10秒05で優勝した。2位は10秒14のケンブリッジ飛鳥(25)。桐生は10秒16で3位。代表枠は2枠なので、桐生は落選である。

 日本選手権といえば文字通り日本一を決める大一番だが、桐生はここのところさっぱり勝てていない。

 優勝は2014年の1度きり。15年は故障で欠場し、世界選手権もフイにした。16年は3位で、辛くもリオ五輪代表に滑り込んだものの、五輪本番は日本勢唯一人予選落ち。さらに昨年は4位と惨敗し、再び世界選手権を逃した。

 テレビ局関係者によると、

「原因は“五輪や世界選手権に照準を合わせ過ぎていたから”と考えた桐生陣営は今年、“まず日本選手権をしっかり勝とう”と方針転換したそうです」

 しかし、それでも今回もダメだった。桐生のチキンハートはつとに有名だが、実は間抜けな失敗で余計にプレッシャーを負うはめになっていたのだという。

「アジア大会代表選考では、日本選手権の順位のみならず、“10秒12を切ること”という条件が付いていました。山縣らライバルは事前のレースで条件をクリアしていましたが、桐生はそんな条件があることを知らず、未クリアのまま本番を迎えていたのです。つまり、ライバルたちは順位だけに集中できていたのに、桐生はタイムも気にしなければならなかったわけ」

 チキンならチキンなりにキチンとしなさい。

週刊新潮 2018年7月5日号掲載

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