東方神起の「猿真似ポーズ」事件 認識が甘いのでは(KAZUYA)

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 K-POPのアーティストは歌もダンスも肉体も顔も仕上げてくるので、人気なのもわかります。僕自身、最近はTWICEを聞いているほどです。

 東方神起も日本で息の長い活動を展開し、日産スタジアム3デイズライブを敢行するほどの人気があります。

 これは大盛況のうちに幕を閉じましたが、ライブ中のあるパフォーマンスがネットをざわつかせました。それはメンバーのユンホ氏が行った猿の真似です。

 思い出すのは2011年のサッカーアジアカップ日韓戦における、キ・ソンヨンの猿真似事件です。当時大問題になりましたから、覚えている方も多いでしょう。韓国では日本人を侮辱する意味で猿を用いるといいます(韓国人も顔の系統的には日本人と変わらない気がするけど……)。

 東方神起のファンからすると「あれは猿ではなくゴリラ」とか「彼はサルやゴリラが好きで悪意もない」と擁護の声が寄せられました。

 しかしキ・ソンヨンの事件や韓国社会における猿の表現を知らないものでしょうか?

「昔からやっていたし、差別的なものではない」との声もありましたが、昔からやっていたならもっと問題でしょう。デリケートな表現であるということをスタッフもファンも指摘せず、放置してきたわけですから。

 日本でビジネスをやる上で、認識が甘いのではないかと思います。

 東方神起は少し前にも問題になっていて、ミュージックビデオに登場する世界地図から日本が消滅していたのです(平昌五輪のホームページでも同様のことがあったなぁ……)。制作過程でのミスと言い訳をしますが、ビジネスをしている隣国が消えていて誰も気づかないのでしょうか? そうした経緯もあり、東方神起は日本でビジネスをやりながらも反日的なんじゃないかとの疑念が生まれたわけです。

 そんなことをツイートすると東方神起のファンからいくつかコメントをいただきました。しかし論理的な反論ではなく論点もおかしいし、感情的なものばかりで、説得力が皆無だし妙に攻撃的な一部熱狂的ファンもいます。

 ユンホ氏はいかに良い人であるかをアピールして書く人がいましたが、それは論点ではありません。今回の件はデリケートな表現を使ったということ自体が問題なのです。

 例えば日本人アイドルが韓国でライブをやったとして、目を吊り上げる様なポーズを取ったら、まず間違いなく問題になります。そんな時「彼は北海道出身でキタキツネが好きだから差別ではないし、悪意もない」と擁護したところで、理屈として通らないでしょう。

「その表現は誤解を生む可能性があるから気をつけて」と戒めるのが真のファンなのではないかと思うのです。どのジャンルでも熱狂的なファンになると、何がおこっても盲目的な擁護をし、批判者をボロクソに攻撃します。

 しかしこうした行為自体が、アイドルの印象をも悪くすると思うのです。アイドルが好きだという感情はわかるけれども、少しは冷静さを保ちたいものです。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者40万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2018年7月5日号掲載

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