大阪地震に「天王寺動物園」チンパンジー6頭の奇行

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 待ちに待った休園日。「昨日は梅雨時やのに晴れてたからお客さん多くて疲れたねぇ」などと、惰眠を貪っていた動物も少なくなかったかもしれない。

 午前7時58分、大阪・天王寺動物園にも地震が襲った。ナマズやカラスの奇行は音に聞こえているし、ダイオウイカが次々に捕獲……などといった報告もあり、動物は地震の予兆を感じ取るとされてきた。

 そういった「宏観異常現象」を研究してきた東海大海洋研究所の織原義明特任准教授によると、

「前兆行動が全くないとは言い切れませんが、科学的に証明できないのが実情です」

 さて、当の動物園にいるホッキョクグマにオオカミにトラ、コアラたちはどんな行動を取っていたか。

「地震前日に動物たちが暴れたりということはひとつもありませんでした。けれども、チンパンジーが……」

 と明かすのは、動物園の飼育担当課長で獣医師の今西隆和氏。目下チンパンジーは6頭おり、それぞれ個室暮らし。オスはリッキー(35)、レックス(25)の2頭、メスはプテリ(35)、ミナミ(33)、ミツコ(30)、レモン(15)の4頭である。

「地震が起こってから、彼らはみな一様に壁にうんこを塗りたくっていたんです。地面が揺れるという現象がよくわからずに、不安で落ち着かない気持ちを鎮めようとしたのだと思います」

 ともあれ、「本震はこの後」説を踏襲するなら、これからの地震を警戒した奇行と言えなくもない。

週刊新潮 2018年6月28日号掲載

特集「天災と人災に揺れた『大阪大地震』」より

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