早大政経が入試で数学必須化、それでも“ライバル慶應”には勝てないワケ

社会週刊新潮 2018年6月18日掲載

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希望の星は地方の国立文系

 数学必須化で話題になったとしても、早稲田政経の人気が復活する可能性は低い――こんな指摘を聞けば、特にOBは哀しくなるだろう。何か打開策はないのかと石嶺氏に訊けば「国立大学の文系学部を志望している高校生に、どれだけ興味を持ってもらうかが鍵」と指摘する。

「早大政経が今以上に、東大や一橋大を落ちた受験生の受け皿となるのは間違いないでしょう。しかし私が興味を持っているのは、地方の進学高で国立の文系学部を選択している高校生が、どれだけ政経学部を受験するかということです」

 朝日新聞デジタルは16年5月1日、「都内有名大、増える首都圏高卒 30年間で1.4倍に」と報じた。

 それによると、東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県の高校を卒業し、早稲田大学に通う学生の割合は86年なら51.8%だったのに対し、16年は73.9%と大幅に増加していた。地方出身者は激減しているのが分かる。

「かつての早稲田は、地方出身者の人気を得ることで、学内の多様性を確保し、教育の質を高めていました。そのためには、北大や京大といった旧帝大だけでなく、地方の国立大を志望する受験生にも興味を持ってもらう必要があります。新入試は、国立文系の受験生にフィットしているのは間違いありません。成功すれば、早稲田は真面目で優秀な生徒を確保できるでしょうが、同時に地方入試の実施も必須です。これは明大が躍進した要因ですが、早稲田も慶應も実施していません。そこにこだわりがあるのかもしれませんが、ならば早稲田は、変なプライドを捨てるべきです」(同・石渡氏)

 昨今、地方創生を名目に、文部科学省は都内大学の学生数を抑えこもうとしている。地方の学生は地元の大学に通うべき、というわけだ。もし早稲田が地方の高校生を確保しようと動けば、そうした流れに逆行することになる。

 だが、それを歓迎する人はいても、非難する人は少数派だろう。早稲田のキャンパスに方言はよく似合う。一方の三田とは、相性がよくないはずだ。

週刊新潮WEB取材班

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